おととし6月、大阪・天満にあるカラオケパブの経営者・稲田真優子さん(当時25)が、刃物で何度も刺され殺害された。当時店の常連客だった宮本浩志被告(57)は1審に続き、2審も懲役20年が言い渡された。自ら死刑を望み、裁判の中で遺族への「謝罪の言葉」を語らなかった宮本被告。遺族は被告との手紙や面会を重ね対話を続けていた。
「いっぱい電話かかってきて怖い」怯える被害女性に「出るまでかけるよ」

事件3か月前に行われた稲田さんと宮本被告とのLINEのやり取りでは、執拗に稲田さんにつきまとっていたことが、やり取りからうかがえた。
【事件3か月前の稲田さんと宮本被告のやり取り】
(稲田真優子さん)「いっぱいかかってきて怖いんですが何が聞きたいんですか?」
(宮本被告)「電話出て(不在着信)」
(稲田真優子さん)「こんな電話が続いてよく分からないのですが、疲れているので電話はごめんなさい!」
(宮本被告)「出ないのが、悪いでしょ。出るまでかけるよ」
去年9月から行われた1審の裁判では、宮本被告は「死刑をお願いします」とだけ話し、身勝手な主張を展開。大阪地裁は一連の行為を宮本被告の犯行と断定し「懲役20年」を言い渡した。しかし、宮本被告は判決を不服として控訴した。