■「投資拡大」について今後の課題は
政府の「投資呼びかけ」について街の人はー
「元手が余裕ないのに(投資は)無理に決まってるじゃないですか。」
「補填はあるの?ないですよね。」
「収入が上がらない中で余分なお金を投資できない」
そもそも資金がないという声も挙がっています。
実際に投資に至らない理由についてのアンケート調査では
40%近くが「投資の知識がない」
36%が「そもそも興味がない」
30%が「損をしそうで怖い」
23%が「まとまった資金がない」「投資信託の仕組みがよくわからない」
などという理由が挙げられています。
井出:
今回の拡充で終わらせてはいけない。拡充しても日本は資産運用に関する教育が進んでいない。例えば、投資にだけ使える給付金を国民に配り、投資に慣れてもらうなどした方がいい。
ーー日本は投資に対する教育が足りていないのでしょうか?
井出:
学校で教えないですよね。2022年4月に、ようやく高校の家庭科で、家計管理の中で投資信託が必修になったんですけど、こと金融に関してはまだまだ昭和の時代の教え方をしている。
昔はそんなこと考えなくても幸せに暮らせたのが、今そういうことを一人一人が真面目に考えないと、将来自分が困っちゃう時代なわけですよ。
もっと義務教育や職場でも少しずつ教えていくということが、非常に大事な時代になってしまったということなんでしょうね。
恵俊彰:
もう自分なんかもう「投資」と書いて「勝負」と呼んでしまうようなところがある。負けるって言ったら変ですけど、価値が下がったりしたら怖いなと。それはやっぱり知識がないからということになるわけですよね。
井出:
そうですね。ギャンブルと投資の違いを説明できる人はほとんどいないと思うんです。ギャンブルというのはまさに一発当てる、でも外れたら大損。でも投資というのは、一発当てようと思うと大体火傷をするんですけど、20年30年という長い期間で投資をすれば、大抵は儲かるんですよね。
大儲けしようじゃなくて、コツコツコツコツと自分の資産を育てるという感覚が一番大事だと思います。
ここ30年ぐらいずっとデフレでしたが、2021年ぐらいから物価がじわじわと上がってきています。いくつかの大手シンクタンクの予測によると、この先2030年ぐらいまで、年間平均0.5%から1%ぐらい物価が上がっていくでしょうという見通しがほとんどなんですね。ですから例えば退職金1000万円を1年間、預貯金で置いておいて、物価が1%上がると、10万円損したのと同じことですよね。
「10万円損したいのか、そうじゃないのか」ということは、一度冷静に考える必要はあると思います。
恵俊彰:
お金の話はなかなか人にしづらい。でも今はもっといろいろこういう話をしていった方がいいということですよね。
井出:
みんなで情報を共有して、良い資産形成をしていくということに尽きると思います。
(ひるおび 2022年6月1日(水)放送より)