長崎県内の民間企業における男性の育休取得率は、2021年が10.2%で、全国平均の13.9%を下回っています。

2022年は16.3%と上がっては いるものの、『2025年までに30%にする』という政府の目標とはまだ開きがあります。
こうした中、男性の育休取得を促すセミナーが13日長崎県庁で開かれ、『男性の育休取得率100%』を誇る県外企業が社内の取り組みを紹介しました。


長崎県と長崎労働局が男性の育休取得を促そうと、県内企業およそ100社を対象に開いたセミナー。

講師は“男性育休取得率100%”を誇る江崎グリコの社員です。

江崎グリコ 木下 直也さん:
「男性育休を進めるには、上司をはじめとする周囲の理解というのが本当に大事になってくると思います。そのための仕組みや仕掛けが大切」

江崎グリコでは2020年にそれまでの育休制度を大きく変更し、社長の発案で『Co育てMonth』制度を導入。

『生後半年までに連続1か月で育休を取得すること』を義務化し、男性社員の育休取得率は4%から100%となりました。

制度の運用にあたっては──
・育休取得を前提として職場の業務計画や目標を立てること
・サポートするメンバーの追加業務も評価の対象とすること
──で、本人や周囲の不安解消を図ったということです。

参加した県内企業:
「育児の方にも、みずから進んで取り組もうかなという気持ちになれると思うので、すごくいい制度だなと思いました」

また、会社としてすぐには制度を導入できない場合でも、できるところから少しずつ変えていくことが社内の意識変化につながります。

江崎グリコ 木下 直也さん:
「できること一つ一つ、小さな小さなことからでも、そういった(育休取得への)意識をもって始めて頂くことで、徐々に変わってくると考える。お互いの歩み寄りとコミュニケーションが大事」
男性の育休取得 国の制度変更も後押し
男性の育休取得をめぐっては去年、国の制度が変わっています。

以前の法律では、男性の育休は 子どもが1歳になるまでに基本的には “1回のみ”で、生後8週間以内に取得した場合は、もう一度取得できるものの、それぞれ“分割取得”はできませんでした。

これが新制度では、生後8週間以内に “産後パパ育休” が新設され『期間内に最長4週間の育休を取得できる』ようになりました。1回、または2回に分けて取得ですることも可能です。
これに加え “通常の育休”も『子どもが1歳になるまでに取得』することができ、こちらも “2回に分けて” 取得できるようになりました。
新制度では、最大、子どもが1歳になるまでに4回に分けて育休が取れるようになっています。