石川県加賀地方では12日夜、線状降水帯が発生し、猛烈な雨が降りました。各地の被害です。
津幡町・能瀬川が氾濫
津幡町を流れる能瀬川は川の水位が堤防を越え、氾濫が発生しました。津幡町中山では、川からあふれた水で住宅が床上まで浸かり、住民は朝から溜まった泥をはき出すなど片付け作業に追われています。

近くに設置されていた自動販売機は、激しい水の勢いで30メートルほどにわたって押し流されました。また川にかかる橋の欄干や川沿いのガードレールには大量の流木が引っかかっていました。

県によりますと、このほか津幡川や宇ノ気川など、津幡町とかほく市を流れる7つの川で氾濫が確認されています。
津幡町・住宅の裏山が崩れる
富山県境に近い津幡町九折では、住宅の裏山が崩れ、土砂が住宅にまで押し寄せていました。この家に住む高齢男性は「窓から枝が見えて電気をつけたら、前の道が歩けなくなっていた。困ったと思って慌てて子どもに電話した」と話していました。
崖崩れで県道が通行止め
津幡町下矢田では県道沿いの崖が崩れ、なぎ倒された木が道路を塞いでいます。近くでは、道路を通行しようとした男性が車を止めて、様子を確認していました。
内灘町で道路冠水
内灘町西荒屋では、道路が広範囲にわたって冠水し、水没した車が動けなくなっていました。中に人は乗っていませんでした。近くに住む人は「昨夜9時か10時ごろからこんな感じ。10年ほど前にもあったが、ここまでではなかった」と話していました。
住宅13棟に被害
県が午前7時までにまとめたところ、県内で13棟の住宅が浸水などの被害を受けました。一部損壊が、かほく市で5棟、床上浸水が津幡町で2棟、床下浸水が、かほく市で4棟、津幡町で2棟確認されています。

国道8号に土砂流入
国道8号は、石川と富山の県境近くで路面に土砂が流れ込み、午後2時半現在も津幡町九折から富山県小矢部市安楽寺の間で通行止めとなっています。また、石川と福井の県境近くでも道路が冠水したため、加賀市熊坂町から福井県あわら市熊坂の間で一時通行止めとなりました。

このほか、金沢市と富山県南砺市を結ぶ国道304号で土砂崩れが確認されるなど、一時、15路線で通行止めとなりました。