『保健室で子どもが話す内容ってお母さんのことが多いんですよね』

3年間で不登校児の母親200人以上から育児の悩みを聞いてきたりつ子さん。不登校児の問題について取り組むようになったのは、滋賀県内の小学校で勤めていた3年程前のことでした。
(大西りつ子さん)
「保健室だったら来られるお子さんだったり、保健室に来るのも大変だったり。学校に行きにくいっていうお子さんはたくさんいらっしゃいました」
学校保健支援員として保健室の先生を勤めていたりつ子さんは、そこで保健室登校の生徒から話を聞くうちに、あることに気づきました。
(大西りつ子さん)
「保健室で子どもが話す内容ってお母さんのことが多いんですよね。でもお家でもちょっと我慢している部分があったりとか、本当は大好きなお母さんに大好きって言えない自分がいる。何かその奥ですれ違いが起こっているような感覚っていうのもすごく感じていて」
不登校児の問題を考える上で、ケアが必要なのは『子どもだけではなく母親』だという事に気づいたのです。りつ子さんは不登校児の母親のための保健室の先生になる決意をしました。母親との育児相談で最も大切にしていることは?
(大西りつ子さん)
「お母さんとはこうあるべきだとか、世間からのしつけがどうだとか、そういう周りの目っていうのを親が気にしないわけがないと思うんですよね。そこで本来のその人自身の持ち味やパフォーマンスが発揮できなくて、そこから解放されると本当の意味で『この子かわいいな』とか『このままでいいな』とか、その子のそのままを見られる」