年に1度 集落で避難訓練

スピーカーから流れる放送
「鍋倉集落に避難指示がだされました。住民の皆さんは最寄りの避難所に避難して下さい」

今月2日。鍋倉集落では災害をきっかけに、毎年この時期に避難訓練を行っています。想定は、阿武川が氾濫する危険性が高まり、集落の29世帯67人に避難指示が出たというものです。

住民
「必ず早く行かないとと思っている」
別の住民
「実際の10年前の時はこの道は通れなかった。みな水浸し」
別の住民
「ここにいつもよう堤防が切れる所があるんよ。この回りはよく堤防が切れる」

近所で声をかけ合ってグループとなり、危険な箇所を確認しながら避難所の公民館に避難しました。避難指示の発令から避難を終えるまで、およそ8分でした。

住民
「10年前は逃げるのもなかなか大変だったから、2階に避難して上から見ていたぐらい。あれよあれよいううちに家の中へ水が入ってきたから、やっぱり避難が一番いうことですね。恐ろしい目にあいました」
住民
「やっぱりこういう機会がないとなかなか、やれないもんですから参加してよかったなと思っております」

一方で課題もあります。

伊藤さん
「車いすの人、足の悪い人がまだ集落の中にいらっしゃいます。そういう人がどういうふうに移動させるかということも常に考えながらやっていきたいと思っています」

県の北部を襲った豪雨災害からまもなく10年。自分たちの地区で起きた当時を振り返りながら防災意識を高めました。

伊藤さん
「地域のみんなで助け合いながらやっていくと。そのためにはやっぱし避難訓練という『慣れ』ですね。常にそういう心がけていく。1年に1回ぐらいはそういうものを十分考えながら避難していくとかいうことも必要じゃないかと思って」

高齢化が進む中、避難を地域全体でどのように支えていくか。いつやってくるかわからない災害に備えて、その仕組み作りに向き合います。