30代半ばという若さで名門イェール大学助教授を務める“世界が認めた天才”成田悠輔氏が、現役予備校講師の林修先生を聞き手に激論を交わしたインタビューが5月29日の「日曜日の初耳学」内で放送された。4月に放送されたインタビューでは格差社会問題と公平な大学入試制度のあり方について意見をぶつけ合った2人。そのアーカイブ動画が100万回再生を突破するなど、放送後には大きな注目を集めた。

第2弾となる今回は、日本が今まさに直面する“少子高齢化”がテーマ。「少子高齢化が“言い訳”として使われている」と警鐘を鳴らす成田氏が、少子高齢化でも発展し続ける社会の形について語った。

少子高齢化と経済成長は関係ない!

成田氏は、不登校も経験した暗黒の少年時代を乗り越え、東京大学経済学部を卒業。世界大学ランキングで10年連続1位の超名門マサチューセッツ工科大学で博士号を取得し、現在はデータ分析を駆使して経済の分野で最先端の研究を行う。

目下、注目するテーマの一つが“少子高齢化”。日本では、昨年の出生数は84万人と、6年連続で過去最少を更新。一方、高齢者の割合は年々加速し、昨年は過去最高の29.1%。3人に1人が65歳以上という時代が到来した。

 (林)「少子高齢化については、どうお考えですか?」
(成田)「少子高齢化って、言い訳として使われているなっていう感じが少しあるんですよ」

 (林)「お、と言いますと?」
(成田)「“もう日本は沈んでいくしかないんじゃないか”って、ちょっと諦めモードになってしまっている。で、その諦めを少子高齢化っていうことのせいにしている部分は、ちょっとあるかなと思うんですよ」

 (林)「なるほど。本当の原因は他にあると?」
(成田)「というよりは、少子高齢化が起きると自動的に国がダメかっていうと、そうでもないってことなんですよ。面白いデータがあって、過去数十年間くらいで世界中の国でどれぐらい人口が高齢化したかっていうことと、一人当たりのGDPとか経済成長とかっていうのがどれくらい伸びたか、豊かになったかの関係を見るデータです。高齢化している国の方が、(働き手が減って)経済が落ち込んでいきそうですよね。でも実際調べてみると、ほぼ関係がないっていうデータがあるんですよ」
 (林)「ほぅ!」

少子高齢化時代を支える機械化・自動化の波

成田氏が指摘する通り、ドイツや韓国など高齢化が進んでいてもGDPは右肩上がり、という国も存在する。

(成田)「すごく重要な仮説は、機械化とか自動化です。人間ではないものを使って経済を維持していかなければならない。工場にどんどんロボットを導入して製造プロセスを自動化していく、みたいなことです。本当であれば日本が一番それの先頭をいってなくちゃいけないってことだと思うんですよね。実際、一人当たり年率数%くらいのGDPを成し遂げているドイツや韓国では機械化がものすごく進んでいるっていうデータもあります。少子高齢化を“解くことのできない問題”だと決めつけない、言い訳として使わない。その中で何をすればいいのかを考えるっていうポジティブな方向が重要なのかなと」

 (林)「高齢化は防ぎようがないと思うんですけれど、少子化については手が打てるか打てないか…」
(成田)「日本人が子どもを産んで少子化を食い止めるのは、もう難しいんじゃないでしょうか。というのは、子供を産める年齢の人たちの数自体が減っていますから。今後できることがあるとしたら、移民。海外からどう人を受け入れるか、ということだと思うんですよね」