続く避難生活「本当の気持ちはやっぱりあそこに戻りたいんだと思う」

県や鶴岡市などの調査の結果、この土砂災害は、風化が進みもろくなった裏山の土に、雪どけ水や雨水がしみ込んだことが主な原因とされています。

これは、今年2月、西目地区の住民が撮影した裏山の写真です。

山肌に設置されたパイプから水が流れ出て、凍っている様子が見て取れます。

依然として、山から水がしみ出していることがはっきりと分かります。

西目地区の住民「台風や雨で、水の流れが変わることに不安を感じる。倒木が心配だ」

雨の降り方によっても変わる、裏山の水の流れ。

撮影した住民は、半年間、天気や気温のほか、1時間ごとにパイプから出る水の様子を観察していて、万が一の際は、すぐ避難するつもりだと教えてくれました。

西目地区の住民は、今も、4世帯13人が避難生活を送っています。

加藤さんも、市営住宅に身を寄せ、一人で暮らしています。

加藤省一さん「これは私の分身なんです。命の綱」

土砂に巻き込まれた時も、離さなかったバッグ。

加藤さんは、これだけは、避難先に持ってきたと話します。

少しずつ生活にも慣れ、明るさを取り戻しつつある加藤さんに、
あらためて、西目地区を訪れた心境を聞きました。

加藤省一さん「もっと片付いていればたぶん、あぁやっぱり西目は空気もいいし戻りたいなって気持ちもあったと思う。でもあの状態をみたら、やっぱり同じだなって。(でも)たぶん本当の気持ちはやっぱりあそこに戻りたいんだと思う」

年末に襲った土砂災害から半年。

鶴岡市では、安全が確保されれば、工事の完了前でも避難指示を解除する方針で、一日も早い復旧が待たれます。