それでもまだ2点差。勝利への執念を見せるロッテは7回から登板した阿部翔太投手を攻めてツーアウト2塁。ここで、2番・友杉篤輝選手が三遊間へ鋭い打球を放ち、サードの宗佑磨選手が飛び込んで好捕、間髪入れず一塁へ送球します。判定は…セーフ。
するとオリックス中島監督がすかさずリクエスト、リプレイ検証を要求しました。検証の結果、判定が翻ってアウト。立ち上がって満足な表情を見せた中島監督、ベンチのムードが一気に盛り上がります。
「190センチ104キロ ラオウが激走」
直後の7回裏、先頭の森選手がピンチを逃れたあとの初球を狙った積極的なバッティング。ライトフェンス直撃のツーベースヒットで、球場の空気を一気にオリックスに引き寄せます。続く5番、頓宮選手のショートゴロを、ショートの友杉選手がファンブル。ノーアウト1塁3塁の舞台が整います。
打席には6番杉本裕太郎選手。粘って6球目を、レフトフェンス直撃のあわやスタンドインかという大きな当たり。レフトとセンターが、ボールの処理をもたつく間に、なんと杉本選手が一気にホームイン。
190センチ104キロ 巨体の「ラオウ」が走る、走る!「一周回って、しんどかった。自分(自身)は、足が速いと思っているので・・」と振り返った、激走のラン二ングホームランで、5対0と勝負の行方を決定づけ、終わってみれば、10対0で快勝しました。
絶対的エースの山本由伸投手。前日、佐々木朗希投手に投げ勝った宮城大弥投手に加えて、この日ハーラートップの7勝目をあげた山下舜平大投手がいる、安定した先発陣。8回、9回には、今シーズン出遅れていた、ワゲスパック投手、宇田川優希投手の救援陣が復調ぶりを示したオリックス。首位を堅持して、この後の快進撃を予感させる内容で、連勝を飾りました。
MBSスポーツ解説委員 宮前 徳弘