「謎中の謎」ベラルーシ そこに新たな懸念も
佐々木正明教授:今回の「プリゴジンの乱」については謎が多いです。その謎中の謎、最も大きいのはこのベラルーシですね。なぜベラルーシが出てきたのかはよくわからないですよ。そして、落としどころがなかったんだろうなというふうにも思います。つまり、ルカシェンコが助け舟を出してプーチン大統領を助けたということも言えるかもしれません。
そしてもう一つ私が懸念しているのは、ウクライナ軍は南部で戦ってるんですね。軍のリソースを集中させています。ところがワグネルが北方からも、ウクライナを攻めるかもしれない。昨年の2~3月の状況になるかもしれない。となりますとゼレンスキー大統領にとっては、非常に懸念する状況です。ワグネルというのは、何をするかわかりませんので、もし本当にベラルーシに行ったとするならゼレンスキー大統領にとっても反転攻勢の作戦自体を、変わらざるを得ないような状況になるかもしれません。
――プーチン大統領とロシア側の反応なんですが、一時は裏切りだと激しく非難しましたが、プリゴジン氏に対する刑事事件は取り下げ、ワグネル戦闘員も罰は受けないと、ロシア政府としての方針が示されているんです。これはプーチン政権の弱体化とか信頼低下とかに繋がりそうですか。
佐々木正明教授:プーチン大統領としても、ワグネルを、もしくはプリゴジン氏を厳しく罰しますと、自分自身にとがが来るかもしれない。ということを考えると非常にセンシティブな取り扱いをせざるを得なかったということだと思います。ですから、ベラルーシが入ったかどうかわかりませんけれども、今のところ収めたっていう状況になっている。プーチン大統領は今後、この戦争をどう継続するか、もしくは国内の統制をどうするかも、プリゴジンの乱がどうなるかが大きく握っているということだと思う。
これまでプーチン大統領は23年間クレムリンの主ではあったんですけども、政敵を次々に追い出している。待っているのは暗殺、もしくは投獄、そして政治亡命。どの人物も不幸な人生を歩んでいる。プリゴジン氏を一度裏切り者・反逆者ということになりますと、今後、プリゴジン氏もほとぼりが冷めたあたりに、自分の命というのが危うくなるかもしれませんし、ベラルーシに行っても果たして安泰なのか、そういうことも気をつけなきゃいけないってことだと思う。(2023年6月26日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
◎佐々木正明氏(大和大学教授、元産経新聞モスクワ支局長、ロシアのクリミア併合を現地で取材)














