かつて「天空のニュータウン」と呼ばれた「コモアしおつ」をご存じでしょうか。バブル時代に作られた山梨県屈指の高級住宅地です。あれから30年以上が経ちました。今の姿をどう想像されますか?
(アーカイブマネジメント部 疋田智)
バブル期の「庭付き一戸建て」の夢
コモアしおつができたのは1991年、バブル景気の最終盤でした。都心の地価が信じがたい暴騰を続ける中、すでに平均的なサラリーマンの収入では首都圏に家を構えることなどできませんでした。それでも都心に通える一戸建てが欲しいという顧客に夢を与えたのが、この「天空のニュータウン」だったのです。

JR中央線の高尾(東京都八王子市)から、さらに先。四方津(山梨県上野原市)が宅地開発のターゲットとされました。ここから新宿駅まで電車で約70分ちょっと。当時としては十分通勤距離だと言われたものでした。
しかし、四方津の駅近くには住宅地に必要な平地がありません。そこで開発業者は山を切り崩し、そこに住宅地を造成したのです。
