国会審議やSNSなどで言われている「トランスジェンダー女性を装って女子トイレや女風呂で盗撮や性暴力をする」という言説ですが、もし実際にそういうことが起きたらそれはその都度きちんと罰していくべきです。でも、その懸念はLGBT法案とは直接的には関係のないことだったはずです。そうした議論で不安や恐怖を煽っていることが問題で、そこを皆さんに気付いて欲しいと思います。

――6月14日には「LGBTQ+への差別・憎悪に抗議するフェミニストからの緊急声明」が出されました。「女性の安全がトランスジェンダーの権利擁護によって脅かされるかのような言説は、トランスジェンダーの生命や健康にとって極めて危険なものになりかねません」と女性側からも発信しなければならないほどトランスジェンダー女性にバッシングが集まってしまうのはなぜなのでしょうか。

トランスジェンダーは人口の1%にも満たない、LGBTQの中でもマイノリティと言われています。より脆弱な立場なのでバッシングしやすいのだと思います。

――法律が施行されても現状が変わっていくのはまだまだこれからです。

私はトランスジェンダーも含めいろんな方が自分らしく生きられる社会に向けてこれからも活動していくつもりです。LGBTQ当事者たちは、日々暮らしている社会の中で偏見や差別的な言説などを見聞きして、それがどんどん自分の中に刷り込まれていって、自己肯定感を持ちづらい状況です。そこをなんとか変えていけたらと考えています。

トランスジェンダーについては、一般の方には性別に違和感があるとか性別を変えたいという感覚はわかりづらいと思います。でも、実際には性別移行するのはものすごく大変で、戸籍の性と見た目の性が一致していないことは様々な場面でハードルとなります。なので、そういった経験やストーリーを当事者だけでなく周りの人たちが語っていく、親とかきょうだいとか友達が当事者の辛さや苦しみを語っていくことが大切だと思います。