ダイオキシン類が混入した食用油が原因の「カネミ油症事件」で、油症認定患者の子や孫に初めて行われた「健康影響調査」の最新の解析結果が、23日報告されました。

調査結果は、23日午後、福岡市で開かれた油症対策委員会で、被害者も出席する中、報告されました。

1968年に発覚し、長崎県を含む西日本で1万4千人以上が被害を届け出た「カネミ油症事件」


被害者から『黒い赤ちゃん』が生まれるなど、原因物質のダイオキシン類が胎盤などを通じて、子や孫に移行することはわかっていますが、油症患者の認定は『血中ダイオキシン類濃度』を基準にしているため、濃度が低い次世代のほとんどは、認定されていません。

こうした中、国がおととしから初めて開始した「次世代の健康調査」では、421人が調査票に回答し、292人が検診を受診。

2つの先天性異常について、厚労省の「全国油症治療研究班」が解析し、“口唇・口蓋裂”については、一般の人より発生率が高い傾向があったということです。

カネミ油症認定患者 下田 順子さん:
「救済にすすめるかとなると、まだまだ先という感じですよね」

全国油症治療研究班は、他の先天性異常も調べ、次世代への何らかの影響が出ていないか、客観的なデータを揃えたいとしています。