コロナ禍もママに影響
またこのコロナ禍も、ママさんに影響を与えています。
(川越先生)
「お産の時に、里帰り分娩、特に東京とか大阪から帰って来られてる方が多かったので、そういう方がかなり減っていると。育児に対してもかなり孤独な状況が続いているのかなというふうに思います」
(利用者)
「コロナ禍で、子育てサロンみたいな交流の場が一切ないので、ちょっと不安に思うことが多いのですが、その中で楢原さんにすごくいつもフォローしていただくので、とても安心して子育てができています。本当に助けられていて頼りにしてます」
(フィーカ助産院 助産師 楢原芳美さん)
「ご実家のお母さんたちも高齢でなかなか手伝いがもらえないとか、ご夫婦だけで育児をしますという方も多くて、お母さんが育児に疲れて、どうしても赤ちゃんと笑って向き合えないというお母さんたちも増えてるなというのは感じます。
『頑張っているね』と誰かに言ってもらえているとちょっと安心したりするじゃないですか。そういう本当にコミュニケーション大事だと思います。
『マミーブレイン』という言葉を知らなくても、『産後うつ』という状態を知らなくても、頑張ってる自分というのはもちろん褒めてほしい。自分でも褒めてほしいし、こういう『頼れる場所というのがあるよ』というのも知っててほしいなとは思います」

アンケートに寄せられた思い
このアンケートをお寄せいただく中に「いろいろ書いてください」というふうに欄を設けましたところ、実は、皆さんからたくさん記述していただきました。その一部をご紹介します。
<アンケートに寄せられたメッセージ>
「簡単な計算ができなくなりました。ひと桁プラスひと桁でも指を使って計算しないと自信がなかったりしました。計算できないと泣きながら訴えたのも、今となっては思い出ですが、当時は本当に焦りました。まさに、あれは『マミーブレイン』だったのかなと思います」
「ダイヤルロック式の傘立ての暗証番号を忘れてしまう。いつもならすぐに覚えられる道案内など、メモをしないと忘れてしまったりしました。
ただ助産師さんに、『この時期は赤ちゃんのお世話だけに集中するために、余計なことは考えないようになっているんだよ』と言われて心が軽くなりました」
「産後はぼうっとしてしまい、物忘れも多く、仕事復帰ができるのか不安に駆られました。
テキパキ、以前のように動けない自分を責めてしまう日々でした。この『マミーブレイン』という言葉を知っていたら、もう少し気持ちが楽に、自分にも優しくできていたのかなと思います」
「夫との会話で自分がぼうっとしているなと感じることが増えました。
『マミーブレイン』という言葉があることで、より産後の大変さが伝わるかと思います」

取材をしたアナウンサーと「ママさん」アナウンサーの感想
(川野AN)
ずっと頷きながら聞いていました、古屋敷さん。
(古屋敷AN)
頭がぼうっとしていたり、何か例えば計算ができないっていうのも、本当に自分自身を責めてしまって、さらに社会から切り離されたような気がして、また精神的に不安定になる悪循環になったりもしてたので。でも、『皆さん経験してるんだな』と知ることで、ちょっと安心感に繋がったりもします
(川野AN)
川越先生がおっしゃってましたけども、あれだけの大仕事で、赤ちゃんが出ていって、胎盤も出ていって、ホルモンの大どんでん返しが体の中であって、それなりにこの「マミーブレイン」という状況もちゃんと意味があることなんだろうと。
だから、取材を受けてくださった川越先生も「『自分が社会から離れたから物忘れする』というふうに責めるのではなくて、『そんなものだな』というふうに思ってもらえるといいな」というふうにおっしゃってました。
(古屋敷AN)
育児というのは、ただでさえ、『孤独との戦い』だと思うのですが、コロナ禍で里帰りができないだとか、親に頼りにくいっていう状況が、皆さんそれぞれの理由である中で、専門家の方にしっかりサポートしていただけるっていうのは心強いですし、親以外にも選択肢があるんだと知ることができただけでも、私もいい収穫になりました。
(川野AN)
やはり、旦那さんのサポートというのが一番身近で重要じゃないですか?
(古屋敷AN)
本当にそうだと思います。
自分自身も仕事で疲れてるかもしれないけど、家に帰って、奥さんにぜひ「今日も1日育児ありがとうってお疲れ様」というふうに言ってあげてください。

※MRTテレビ「Check!」5月26日(木)放送分を再構成