マイナンバーをめぐるトラブルが相次ぐ中、岸田総理は関係閣僚らに「総点検」を指示しました。点検するのは「マイナポータル」で閲覧できる全ての情報で、29種類あります。さらに、来年秋には「紙の保険証」が廃止され、「マイナ保険証」に一本化されることになっていますが、医療の現場からは戸惑いの声が聞かれました。

「マイナ保険証利用率は1%未満」現場は不安募らせる

喜入友浩キャスター
「医療機関では4月からマイナ保険証を読み取る機械の導入が義務化されています。こちらの歯科医院もカードリーダーを導入していますが、誤った名前が表示されるなどトラブルが相次いでいます」

実際に、喜入キャスターがマイナ保険証を使って受診の受付をしてみました。

♪機械「本人確認の方法を選んでください」

顔認証を選ぶと…

喜入キャスター「顔を枠内に合わせる、こうですね、枠内に合わせてみます…ん?あら!顔認証が行えません…」
院長「もう1回やってみてください」
喜入キャスター「もう1回やってみます。なんでだろう、私なんですけどね…」

院長「少し下がってみて、遠くになった方がいいですね」
喜入キャスター「このくらい。結構離れますね。あ!読み込めました」

顔認証をするには少しコツが必要なようです。

喜入キャスター「こういった場合も先生がわざわざここに来て『離してください』とか、対応されるんですか?」

松江歯科医院 扇山隆院長
「エラーが出た場合は説明をしないといけないですね」

さらに、この歯科医院では認証が済んだあとも必ず確認することがあるといいます。

扇山院長「いま読み込んだマイナ保険証の情報はパソコンに入ってきます。これが本当に正しいかどうか非常に信頼度が下がっているので、我々は情報が信用できないので必ず従来の健康保険証を確認しています

マイナ保険証に紐づいている情報が正しいかどうか、紙の健康保険証と照らし合わせているのです。

喜入キャスター「確認する作業が発生するんですね」
扇山院長「いま現在はそうです」

実際、マイナ保険証に入っている情報の中に、患者の名前が一部文字化けするトラブルがあったそうです。

患者側も医療機関側もこうした手間が増えているため、松江歯科医院ではマイナ保険証の利用率が1%に満たないといいます。

医師と歯科医師で作る団体の調査によると、マイナ保険証を使える医療機関の65%がシステム上のトラブルを経験したと回答。

全国保険医団体連合会 竹田智雄副会長
「何としても一旦ここで立ち止まることをお願いしたいと思います」