■「一生このままなのかな」1年4か月“コロナ後遺症”と闘う女性 「気の持ちようだ」心無い言葉が患者をさらに苦しめる

ヒラハタクリニックに通院している50代の女性。新型コロナの療養期間を終えてから、約1年4か月経った今でも、“コロナ後遺症”に悩まされているといいます。
ーーどんな“コロナ後遺症”の症状がありますか?
とにかく倦怠感がひどかったです。倦怠感というと「ちょっと疲れてだるい」とか「病み上がりで体力がない」とかそういうのをイメージされると思うんですけど、全然違って、全身を革のベルトでぐるぐる巻きにされて、さらにギュウギュウに締め付けられているような感覚。全身自由がきかなくて動けず、苦しい。さらに、今気になっているのは、“頭の中の炎症感”。脳みそが爆発しちゃうんじゃないかみたいな嫌な炎症感が、それはもう1年4ヶ月経った今でもずっと続いています。
ーー日常生活で一番つらいことは?
何をするにも辛いんですけど、そういう意味では、この状態がいつまで続くのか、いつ治るのか、それとも治らないのか。いつか治療法が出るのか、それとも出ないのか。自分で自分を養えるだけの収入を頑張って働いて得ることもできなければ、レジャー、趣味で遊びに行くこともできず、一生具合悪いまま、一生このままなのかなって。全く先の見通しのわからないまま、生活していかなきゃいけないっていうのは1番つらいところ。
ーー“コロナ後遺症”に対する周りの反応はいかがでしたか?
現在、夫と2人暮らしで、夫も同時期にコロナウイルスに感染しました。夫は感染時の症状も軽く、すぐに元気になって、今も何も問題がないです。でも、私はいつまで経ってもグズグズ具合が悪くて。だからある時、夫に「なんで私よくならないんだろう?」って言ったら、「気の持ちようだよ」って言われちゃって、「じゃあその気の持ち方を教えてよ。私の気の持ち方が何か間違っているんだったら、その正しい持ち方教えてよ、真似するから」って言って、大喧嘩したことがあります。そこで夫もすごく反省してくれて、理解してくれて、今では協力してくれています。
ーー今、思うことはありますか?
常々思うのは国の政策ですかね。コロナの10日間の療養期間が終われば、回復だねと見放されて、その後、どれだけ生活に支障が出るほどの症状が続いても、特にフォローもありません。お医者さんも、この病気を理解してくださる方もまだ少数で、ほとんどのお医者さんは、やっぱり検査しても何も悪い数値が出ないから、どこも悪いところはない。結局、「心因性のものだ」「心療内科に行け」とか、そういう風になるんです。国や厚労省がそもそも取り組む気が薄いから、こんな風に放置されちゃうんだってひしひし思っていて、普通の一般人より、国や医療機関の“コロナ後遺症”に対する無理解の方が、問題かなという気がしています。