AIで胚培養士の負担軽減を目指す取り組みも

 こうした問題を解決するための取り組みも始まっている。顕微鏡などを扱う「オリンパス」の科学事業を担当する「エビデント」が開発しているのは「AIが精子を自動判別」する技術。

 (エビデント・クリニカルマイクロスコープソリューション戦略 足立健課長代理)
 「AI開発というものに取り組んでおります。胚培養士さんが良いと判断されるものをピックアップしやすいような補助ができている形になっています。胚培養士さんの負担軽減、ひいては患者様のお役に立てていければいいかなと考えております」
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 1000体以上の精子の画像を学習したAIが、精子の「動き」が良好なものは黄色い線、「形」が良好なものは青い枠で表示する。胚培養士が顕微授精などをする際、精子を選ぶ参考にできるというもので、胚培養士の負担軽減などを目指すという。
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 不妊治療の技術は、まさに日進月歩。治療をこれからも続けていく坂口さん一家は、保険の適用によって社会の理解が進むことを期待している。

 (不妊治療を受ける坂口香さん(仮名))
 「保険が使えない治療をしているっていうのは、イコール特別なことをしているようなイメージじゃないですか。みんながしていないようなことを特別にやっているというのが、ちょっと言いづらいところなのかなっていうのがあります。好きで不妊治療を始めた訳ではないので、何かしらの補助金とかを考えてもらえたらありがたいです」