印象的だった古橋選手の「オフの動き」
そして私が次に注目したのは、満を持しての招集となった古橋選手です。
セルティックでは脅威の活躍を見せ『日本人初の得点王』『MVP』を獲得した古橋選手。待望論が出る中、昨年9月以来の代表活動となりました。
「久しぶりに日本の皆さんの前でプレーできるという感謝の気持ちを、プレーと結果で返したいという気持ちです。あとは楽しんで、リラックスできたらと思っていました」とコメント。周囲の期待通り、相馬勇紀選手(26、カーザ・ピア)のクロスからヘディングで流し込む1ゴールの活躍を見せました。
印象的だったのは得点直前のボールを受ける前、いわゆる「オフの動き」。
古橋選手はクロスが上がる前に、相手DFの目の前で一度ボールから目を切ってターン。マークを外すと、別のDFの前に入り、頭で合わせるという難度の高い動きから得点しました。
「相手と駆け引きするというのを強く心がけていたので、良い形になってよかったなと思います」と、意外にもあっさりな回答でした。
普通は一度ボールから目を切ると、ボールの軌道を目で追えない為、ヘディングの打点を予測することは難しくなります。それでも見事なポジショニングでゴールを奪ったのは流石『得点王&MVP』としか言えない、鮮烈なゴールでした。
勝手を知った者同士が生み出す連携に加え、古橋選手のような久しぶりの代表活動に燃える選手たちが持ち味を存分に発揮しながら融合した事で、今後チームの引き出しが増え、エルサルバドル戦以上にバリエーションが豊富になっていくのではないかと感じました。
そして、20日午後6時56分にはペルー戦のキックオフを迎えます。
ペルーはカタールW杯への出場こそなりませんでしたが、FIFAランキングは21位(日本は20位)。レベルの高い試合となる事が予想され、新生森保ジャパンの真価が問われる試合になります。
さらに東京五輪世代に加え、伊東純也選手(30、スタッド・ランス)や、遠藤航選手(30、シュツットガルト)など、日本代表の主力を張ってきた選手たちがスタメンに加わることも予想されていて、さらなる化学変化が期待できるかもしれません。
より強固になった連携と、個々の持ち味が存分に発揮されるゲームとなり、ペルー相手にさらなる引き出しを増やすことができるのか。この一戦は大いに注目です!