15日に行われたキリンチャレンジカップ2023エルサルバドル戦で6-0の快勝を収めた森保ジャパン。20日には南米の強豪、ペルーとの一戦を控える。
この試合の中継でピッチリポーターを務めるTBS齋藤慎太郎アナウンサーが、エルサルバドル戦を現地取材した。高校時代は横浜F・マリノスユースに所属し、国体の神奈川県代表として三笘薫(26、ブライトン)、板倉滉(26、ボルシアMG)とチームメイトとして戦った経歴を持つ齋藤アナが、取材で感じたこととは。

TBSアナウンサー齋藤慎太郎です。
20日に行われる、キリンチャレンジカップ2023 日本対ペルーのピッチリポーターを務めるため、15日の日本対エルサルバドルを取材しました。

試合は6-0。森保ジャパンはカタールW杯後の初勝利を収めました。
前半早々にエルサルバドルが退場者を出し、ゲームが決まってしまう展開になったものの、日本代表は最後まで強度の高いプレーを継続し、相手を圧倒。試合後には、三笘選手、旗手怜央選手(25、セルティック)、上田綺世選手(24、セルクル・ブルッヘ)といった東京五輪世代の選手に加え、古橋亨梧選手(28、セルティック)に話を聞くことができました。

私はこの試合から、3月のウルグアイ戦(1-1の引き分け)、コロンビア戦(1-2の敗戦)では見られなかった、選手の距離感やパス等の連携の質の高さといった組織力に加え、攻撃のバリエーションの豊富さを感じました。

そこで注目したのはスターティングメンバーの年齢です。今回は11人中9人が東京五輪世代。森保一監督(56)は東京五輪以降ではその世代が最も多く割合を占める布陣で試合に臨みました。

カタールW杯を終え、世代交代も図られる中、三笘選手はこのことに刺激を受けていたようです。「試合前にメンバーのボードを見たときに東京五輪世代が多いのは気付いていました。一緒にやったメンバーでA代表を引っ張っていけるのはすごく嬉しいことですし、自分も同世代に負けられない」と話してくれました。

上田選手は、三笘選手、旗手選手、森下龍矢選手(25、名古屋グランパス)などとユニバーシアードの頃から共にプレー。「大学の頃から一緒にやっている選手も多くいるので、すごくやりやすかったです。お互いのプレースタイルやどんなプレーが好きかを把握できているので、意思の疎通ができているのかなと思います」。連携面ではやりやすさがあるようです。

上田選手は代表15試合目にして初ゴール。前線の連動した守備からボールを奪取しPKを獲得。自らキッカーを務め、右下隅に突き刺しました。「もっと獲れたな、というのが正直なところですが、初ゴールに対しては少しホッとしています。PKは自信を持って蹴れたと思います」と、安堵したような様子でしたが、まだ満足しているわけではない、得点欲のようなものを感じました。

日本が4点目を奪ったシーンでは、上田選手の真骨頂である高さのある胸トラップからポストプレーで三笘選手に落とすと、得意のドリブルで独走。三笘選手のシュートのこぼれ球を最後は堂安律選手(25、フライブルク)が押し込み得点。上田選手が攻撃の起点となり、再び数字に結びつく活躍を見せました。ペルー戦は残念ながら怪我のため離脱となりましたが、今季のベルギーでの活躍は上田選手にとって相当な自信になったそうです。

そして旗手選手。
最後に招集された9月は試合に出場できず、この試合は雪辱を晴らす絶好の機会。
「(東京五輪メンバー等)自分が良さを理解している選手たちと出場できたので、今日(15日)自分の良さが出なかったらいる意味はないと思っていました。ラストチャンスと思っていたので、自分の良さがしっかり出せたことは良かったです」と振り返った通り、この試合では豊富な運動量で味方を常にサポートし、ゴール前にも何度も顔を出すという旗手選手らしさが存分に見られました。

本来、代表チームは活動回数が少ないので、中々チームとしての「積み上げ」が難しいとされています。しかし東京五輪、中にはプロとして活躍する前から共にプレーできている事で、選手同士の距離感や意志・プレーの共有などがスムーズに行われているという実感が選手間にはあるようでした。