「今回は金利を据え置いたものの、あと2回は利上げが必要。」だったら、今回、利上げすればいいじゃないか。そんな突っ込みを入れたくなりました。
ようやく据え置き、年内2回の利上げ見通し
アメリカの中央銀行にあたるFRBは、22年3月以来、インフレに対応するため10回連続で利上げを行ってきましたが、14日の会合で、政策金利の据え置きを決めました。
政策金利が、これまで「終着駅」とされていた5.0%〜5.25%にすでに達しているため、これまでの効果と影響を見守ることにしたものです。
その一方、今後については、23年の年末時点での政策金利の水準を5.6%と見通し、これまでより0.5%引き上げました。これは0.25%利上げを年内にあと2回実施することに相当します。
パウエル議長は「インフレ圧力はなお強く、道のりはなお遠い」と述べており、利上げの「終着点」はさらに先に延びたことになります。
市場は「あと2回」に懐疑的
金融市場は、今回の「据え置き」と「あと1回利上げ」は織り込んでいたものの、「あと2回利上げ」には驚き、当初は株価が大きく下落する場面もありました。
ただ、パウエル議長が会見で、「労働需給が均衡を取り戻している兆候もある」、「ゴールにかなり近づいている」などと発言したことから、実際は、文面ほどタカ派ではないと受け止められ、次第に落ち着きを取り戻しました。
「あと2回利上げ」とは言うものの、現実には、2回も利上げはできないだろうとの見方が台頭しているのです。

















