コロナによる休校などの影響もあり、不登校の小中学生がおよそ24万5000人と、過去最多となっています。学校に行かなくても、それぞれの子どもが自分のペースで学び続けられる、新たな“居場所づくり”も始まっています。
過去最多の不登校児“約24万5000人” 小学6年生「(理由は)覚えていません」

熊本市の小学6年生、山口楓太さんは、長年学校に通っていません。
Q.学校は何で行きたくなくなっちゃった?
小学6年生 山口楓太さん
「覚えていません。4年くらい、5年、いや何年、ずいぶん前から行っていないので」
発達障害と診断されている楓太さんは特別支援学級などにも馴染めず、漫画を読んだり、ゲームをしたりして、家で過ごす日々が続いていました。
楓太さんの母親も不安を抱えてきました。

楓太さんの母 山口美穂さん
「このまま掛け算とかできないまま、大人になってしまったらどうなるんだろう」

文部科学省によると、2021年度の不登校の小中学生は、約24万5000人。過去最多となりました。

不登校の子どもが主に過ごす場所に関して…
自宅 91.3%
フリースクール 25.3%
※NPO法人調査 複数回答
不登校児の9割が主に自宅で過ごしているという民間の調査結果もあり、頼るところが見つからず、親子で孤立を感じていることも少なくありません。
長年学校に行っていない楓太さんが、2022年からほぼ毎日通っている場所があります。

小学6年生 山口楓太さん
「勉強していました。算数です。5年生」
熊本市内のフリースクール、日本財団「子ども第三の居場所」熊本学習支援センターです。
決まったスケジュールはなく、楓太さんは自分のペースで机に向かっています。

ここでは、小学生~高校生までが一緒に過ごし、大学生のボランティアが中心となり、個別に勉強を教えています。
フリースクールに通う高校生
「決められていることがないから、自主的に勉強することもできるし、やれって言われることがないから、頑張ろうって思える」
勉強は子どもたちの自主性に任せ、公園で遊んだり、一緒に食事をしたりする時間も大切にしています。
熊本学習支援センター 仙波達哉 センター長
「子どもが抱えている問題は、学習だけじゃない。両輪でやらないとダメだと。教育的な面と福祉的な領域」
8年前から、このフリースクールを運営する代表は、学校での集団生活が合わない子どもが増えてきていると感じています。

熊本学習支援センター 仙波達哉 センター長
「集団の中で自分がいる限界っていうのを感じているんだと思います。家庭の居場所と学校の居場所以外に、“第三の居場所”というのが必要な時代になってきているんですね」
楓太さんの母親は、フリースクールに通い始めてから、楓太さんに自信がついてきたといいます。

楓太さんの母 山口美穂さん
「俺はセンター(フリースクール)に行ってるから大丈夫って思ってくれているのが嬉しくて。学校ほどの決まりでがちがちしていない。自由過ぎてということでもなく、そこが一番居心地がいいのかなって」