■値上がりのピークは?“悪い物価上昇”はいつまで続くのか?
6月からは日清食品のカップヌードルのほか、調味料やアイスクリーム、電気代、ガス代など、様々なものが値上がりします。

この物価上昇は一体いつまで続くのでしょうか。ニッセイ基礎研究所の斎藤氏に詳しく聞きました。
ーー値上がりの影響が大きいのは?
「これから値上がりの影響が一番大きいのはやはり食料品。原油高の影響もあるし、ウクライナ情勢もあって、輸入物価高騰の影響を受ける」
ーー値上がりはいつまで続く?
「エネルギー価格は政府が物価高対策を行っているので、これ以上上がらないと思うが、食料品や日用品の価格が上がり、2022年中は消費者物価2%台の上昇が続くと見ている。ピークは今年の秋ぐらいで、2%台半ばくらいまで上がる。原油高が落ち着くというのを前提とすれば、2023年中には0%台後半まで下がる」
斎藤氏は今後の物価上昇について、「秋をピークに今年中は2%前後で物価上昇が続くものの、アメリカの金融政策の引き締めや中国の極端なゼロコロナ政策などを背景に世界経済の景気が減速する可能性が高く、原油の需要が減少し、来年になると物価上昇は落ち着く」と見ています。
一方で、世界経済が減速することなく原油需要が拡大したり、ロシアによるウクライナ侵攻が長引いたりすれば、原油価格は高止まりし、結果として“悪い物価上昇”が長く続く可能性も考えられます。
■日銀・黒田総裁 “悪い物価上昇”も「現在の金融緩和粘り強く続ける」
日銀の黒田総裁は今回の物価上昇について「エネルギーなどの輸入物価を背景にしたもので安定的な2%達成にはならない」としたうえで、「現在の金融緩和を粘り強く続けていくことによって経済の回復をしっかりサポートして、賃金、物価が緩やかに上昇していく姿を期待している」と述べ、引き続き金融緩和を継続していくと強調しました。

しかし、日銀が金融緩和を継続することで、政策金利の利上げに踏み切ったアメリカとの金利差が大きくなり、円安がさらに進行する可能性があります。円安の進行は輸入物価のさらなる上昇につながりかねません。
私たちの生活に大きな打撃となる“悪い物価上昇”。
家計への大きな負担は少なくとも今年中は続きそうです。