政府が「次元の異なる」と主張する、少子化対策。「こども未来戦略方針」が13日、決定しました。出生率の低下を反転させるために若い世代の所得を増やすことや、児童手当を来年10月分から拡充することなどが発表されましたが、子育て真っ最中の高橋委員は、今回の方針について、どう感じたのでしょうか?

高橋祥子委員 単独インタビュー「根本的な社会環境を変えていかないと」

Q.今回の方針の評価できる点、課題についてそれぞれ教えてください

こども未来戦略会議 高橋祥子委員
まず評価できる点としては、これまで私が参加した官邸の会議の、どの会議よりも、現場の人たちの意見を「聞こう」という姿勢がすごく見られて、毎回、その発言内容が、きちんと反映されていくっていう姿勢を個人的には評価しています。

Q.一方で課題は? 

課題はですね…これは、委員によっても違うと思うんですけれども、私が思う課題は、やはり例えば現金給付ですとか、育児当事者の支援策については非常に議論がなされていたんですけれども、そもそもの少子化になる「社会構造を変えていこう」っていう根本課題を解決するところについては、ちょっと議論がなかなかされなかったのかな?というところが課題だと思っています。
他国だと、基本的に女性の労働参画率が上がるほど出生率が上がるっていう傾向にある。それは家計が安定するからなんですが、日本の場合、女性の参画率上がっても出生率がどんどん下がっているという状況で、これはもう完全に長時間労働社会で、女性が社会に入ると、そりゃ出生率が下がる…という状況で、他国だと女性の参画と同時に働き方改革もすることで、出生率が上がっているっていう状況なんですね。
なので、この長時間労働社会を何とかしないと、育児支援をするのはもちろんいいんですけど、根本的な社会環境を変えていかないと、少子化に歯止めはかけられないんじゃないかなと個人的には思っています。なので長時間労働を是正するような法律ですとか、そういったところの議論があまりなされなかったのは、まだ課題かな…と個人的には思っています。