運転免許を返納した高齢者や障がい者などいわゆる交通弱者を救おうと、伊那市で新たな取り組みが始まっています。

その名も「デジタルタクシー」。タブレット端末やAIなどデジタル技術も活用しているということですが、どのような取り組みなのでしょうか?

およそ6万5000人が暮らす伊那市。

今年4月から新たにスタートしたのが、こちら…。


市街地で暮らす高齢者などの移動を支援するサービス、「市街地デジタルタクシー」です。

65歳以上の高齢者や障がいのある人などを対象に、1回の利用料金は250円か500円と低価格。

本来の乗車料金との差額は市が負担します。


■利用者
「免許返しちゃったから本当におかげさまで助かっている」

「市街地デジタルタクシー」の運行はこの春にスタート。

それまでの取り組みをさらに拡充させました。

市が、先だって2020年度から郊外で始めていたのが、「乗り合いタクシー」です。


65歳以上の高齢者など複数の客が一緒に乗ることを想定し、料金は1回500円。

運行地域は市街地を除く市全域と南箕輪村の一部で、登録者は2500人に上ります。

この乗り合いタクシーの特徴が、人工知能=AIの活用です。


■伊那市企画政策課 田中元喜(たなかもとき)さん                                                                      「コールセンターに予約を入れると一番近いタクシーをAIが自動配車してくれる。乗車から降車位置までタブレットに送信されてドライバーはタブレットを見ながら運行する」

予約を受けてAIが乗車場所と目的地のルートを自動で割り出し、効率的に配車します。

この日も高齢の女性が通院で活用していました。


■利用した女性
「今まではバスに乗っていた。ここバス通るので。だけど腰の具合が悪くなって歩くのが大変になって、ありがたいですよ本当に安いしね」