一方、この春から始まった「デジタルタクシー」は、市街地をカバーし、主に個人での利用を想定しています。

デジタルタクシーを運行する伊那タクシー。
運行が始まると、専用の予約電話がひっきりなしにかかってきます。
■伊那タクシー営業課 柴洋文(しばひろふみ)課長 「10時前後になってくると増えてくる。仕事量増えるので歓迎です」
デジタルタクシーは、滑り出しから好調で、1日に50人以上が利用。
その魅力の一つが、手軽な使い方です。
タクシーの車内に置いてあるタブレット端末で、乗客のカードに記されたQRコードと料金メーターを読み取るだけで、利用料金が瞬時に表示されます。
乗り込んできたのは高齢の夫婦。
2人とも数年前に免許を返納し、これまでは通常料金のタクシーやバスを使っていたといいます。

■利用した夫婦
「歯医者さん行くにも内科のお医者さん行くにもデジタルタクシーが頼りです。免許を返納しちゃうとタクシーに頼るしかないがこうやって格安で大助かりです」
タクシー運転手からも好評です。
■タクシー運転手 「ドライバーになって間もないが人の役に立てるなと近ごろつくづく思う」
市は今年度、1日あたり70人が利用すると見込み、2500万円余りの予算を確保。
今後もデジタル技術を活用してサービスの充実を図ります。

■伊那市企画政策課 田中元喜さん 「2つのタクシーのサービスができたことで伊那市全域が対象になった。これからは運行の見直しをしてさらに効率のよい運行ができるように進めていきたい」
独自の取り組みで交通弱者を支援する伊那市。
支援のさらなる広がりが期待されます。














