■日本陸上競技選手権大会(4日、大阪市・ヤンマースタジアム長居)
世界陸上ブダペスト(8月19日開幕)の代表選考会を兼ねている日本選手権・最終日が行われ、男子100m決勝では坂井隆一郎(25、大阪ガス)が10秒11(-0.2)の1着でゴールし、初優勝を飾った。
優勝候補のサニブラウン・アブデル・ハキーム(24・東レ)は中盤から失速し、10秒59の最下位で2連覇を逃した。栁田大輝(19、東洋大)が自己ベストの10秒13で2位、9秒台の記録を持つ小池祐貴(28、住友電工)が10秒18で3位に入った。
決勝は一度フライングを挟み、2度目のスタート。第4レーンで走った坂井は、得意のスタートで前に出ると、中盤で上位がほぼ横一線に並んだが、ゴール前でわずかに前に出て、栁田らを振り切り1位でフィニッシュ。
優勝インタビューでは口を押えてしばらく言葉に詰まり、「やっぱり地元の大阪で優勝したかったので、優勝できて本当にうれしいです」と坂井は涙を流し、会場の声援に応えた。サニブラウンはレース後「最初のセットで足がつった」と話し、まさかの失速となった。
坂井は昨年の日本選手権で2位。直後の布勢スプリントで10秒02の自己新をマークし、世界陸上の参加標準記録(10秒05)を突破。世界陸上オレゴンでは準決勝進出を果たした。この日の準決勝(3組)では、全体トップの10秒17で決勝に駒を進めていた。