■認知発達が2割以上減少? “マスク着用”が乳幼児に与えるリスクも?


こうした中、大人のマスク着用が、子どもの成長や発達を阻害しているのではないかという指摘もある。

京都大学大学院 明和政子 教授


京都大学大学院 明和政子 教授
「脳科学の視点から見ると、最もリスクが考えられ得る子どもたちは、やはり乳幼児。笑ったり、怒ったり、悲しんだり。こうした全体の表情を経験することによって、それを乳幼児が自分でも真似してみることによって、『自分が今楽しいから、相手の人も楽しい気持ちでいるんだな』とか、『自分が悲しい泣いているときに相手も悲しいから悲しいんだな』ということを一つ一つ学んでいく。そうした時期なんですね」

2021年年8月のアメリカのブラウン大学の報告では、コロナ禍以前に生まれた子ども(生後3か月~3歳)の認知発達の平均値を100とした場合、コロナ禍に生まれた子どもの数値は、原因は分からないものの78にとどまったデータもあったという。


こうした現状で、明和教授が重視するのが・・・

京都大学大学院 明和政子 教授
「家庭内保育の重要性が、コロナ禍以前にも増してすごく大きくなってきた。親がこれまで以上に意識してマスクを外して、対面でもコミュニケーションをこれまで以上に意識して豊かに提供してあげる。それがこの時期の赤ちゃんたちの、子どもたちの脳を守ることにつながる」

■「どんな風に世界を見ていくのかな」マスクが“外せない”現場の不安


一方、こうした家庭でのコミュニケーションが難しい現場もある。

膳場貴子キャスターが訪れたのは、静岡市にある乳児院。様々な事情で親などと暮らすことが困難な、0歳から2歳ほどの子どもが24時間生活する施設だ。

子どもの面倒をみる職員たちは、感染対策のため、常にマスク姿。コロナ禍、この施設にいる子どもたちは、マスクをしていない大人と接する機会がほとんどないという。

乳児院の職員は常にマスク


膳場キャスター
「コロナになる前は大人も一緒に食べていた?」

乳児院の職員
「お家だとお父さんお母さん、家族みんなで食卓を囲んで色々なお話をしながら食べるので、そういうことができるといいねっていう目的を持って、一緒に食べてはいたのですが。今はちょっと難しいので」

膳場キャスター
「食べている見本を見せられないとなかなか・・・どうやって食べ方などを教えてあげるのでしょうか?」

乳児院の職員
「言葉で言って、“もぐもぐだねー”という感じで。見て真似することができれば一番いいんですけど、やっぱりマスクが取れないので、言葉でどうしても伝えていくしかない」


マスクによって、これまで「当たり前」だったことができなくなっているという、乳児院の現場。感染対策と、子どもたちの成長への影響との間で日々悩んでいるという。

静岡乳児院 服部有紀 副院長
「一緒にご飯を食べない、マスクを外さない、地域の方と交流しない。感染のリスクから守る行動をとるのは比較的簡単ですけれども、その生活を続けて大きくなった子が、どんな感情だったりだとか、どんな風に世界を見ていくのかなというのには、すごく疑問とか不安とかがあります」

乳児院の副院長も不安を口にする


(報道特集 5月21日放送)
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