冬のグランドキャニオン
冬のグランドキャニオン

20億年前から2億7千万年前までの地層が露出

グランドキャニオン国立公園は、アメリカの有名な世界遺産。深さ1500メートルの谷が実に400キロ以上も続き、世界最大の峡谷と言われます。

荒涼とした断崖が続く景観は、観たことのある人が多いと思います。しかし冬のグランドキャニオンがどんな景色になるのかはあまり知られていないのではないでしょうか。最近、番組でも初めて冬の撮影を行ったのですが、グランドキャニオンにも雪が降ります。赤い大峡谷に白い雪が積もった映像は、珍しくも美しいものでした。

撮影チームは谷の上から撮り始めたのですが、気温は5℃。地面は凍結し、ダウンを着ていないとダメな寒さです。そこから1000メートル下の谷の底まで下っていったところ、気温は20℃。同じ日のグランドキャニオンで、上との寒暖差は実に15℃。雪などどこにも見当たらず、乾燥した大地にサボテンが生えている・・・といった具合で谷の上とは別世界。かなりキツいトレッキングになるので身体も温まり、ダウンどころか半裸の登山者もいるほどです。

寒暖差を生んでいるのはグランドキャニオンの高低差。大河、コロラド川が大地を浸食して生まれたもので、断崖には20億年前から2億7千万年前までの地層が露出しています。これだけ長期間の地層を一度に観ることが出来る場所は、世界的にも希です。