“配慮”の三角コーンで困ることも

一般ドライバーに駐車されるのを防ぐ、“配慮”として施設側などが置くことがあるのですが、実はユーザーにとっては困った事態に。
駐車場に置かれた三角コーンを移動させるのに、時間や手間がかかってしまうのです。
実際に三角コーンを駐車場に設置し、森井選手に実演してもらいました。

▼駐車スペースの手前で一度停車
▼運転席のドアを開けて後部に乗っていた車いすを取り出し、地面に下ろして移乗する
▼車いすで駐車スペースに置いてある三角コーンをどかす
▼再び車へ戻り、運転席に乗り込み、座席に座った状態で車いすをたたんで車へ乗せる
▼エンジンをかけて、駐車
森井選手の場合、コーンをどかして駐車するまでにかかった時間は約3分間でした。
森井大輝選手:
三角コーンはない方が楽なんですが、場所を確保する配慮だと思うので、その気持ちは嬉しいです。
教育アドバイザー 清水章弘:
森井さんはかなり鍛えてらっしゃいますし、乗り慣れてらっしゃる。そういう方が3分間かかってしまうということは、車いすに乗り始める方とか、慣れてない方はなかなか難しい。
大体200万人が車いすユーザーですから、自分で運転をする方が20万人しかいないというのは、そういう背景もあるんだなと感じましたね。
弁護士 八代英輝:
本来は施設側も、コ―ンを置かなくてもスペースを確保できるようにしたいとは思うんですよ。施設によっては「車いすで来られるときにはご連絡ください。コーンをどかしておきます」みたいなところもありますが、気を遣ってしまう方もいるでしょうし。
サービスエリアなどで見ていると、どう見ても健常者の方が、いろいろ急ぐ理由はあるのかもしれませんけれども停めている。やはりそこを自粛することが当たり前の社会になってほしいですね。
皆川アナウンサー:
森井さんは、通りがかった人に声を掛けて、「すいません、ちょっとその三角コーンをどかしてください」というのもよくあるそうです。

『#まだまだマナー』という、車いすユーザーの困り事を紹介する動画が、今話題になっています。
「まだまだ知られてないマナー」として、ゼブラゾーンへのはみ出しや、車いすマークの駐車場に三角コーンを置くことでの困りごとを、アニメと歌で紹介しています。この動画を作ったトヨタ自動車の社員は、歌を作ったきっかけについてー
トヨタ自動車 社会貢献推進課 内山田はるかさん:
車いすの人とやり取りをする中で、車づくりだけでは解決できない移動課題があると知りました。このことを多くの人が知ることで、少しでも課題の解決に繋がればと思い制作しました。