「うちが推薦を出したから」公明党が強気な理由

「公明党の考え方はもう自民党さんにはお伝えをしておりますので、なるべく早く自民党さんとしての結論を出していただきたい」(公明党・石井啓一幹事長 5月19日記者会見)

公明党は、自民党側に早期の決着を求めている。支持母体である創価学会関係者も「なかなか決まらないことに業を煮やしている人も多い」と口にする。
公明党が強気な理由の一つに、自民党が戦った4月の補欠選挙での「薄氷の勝利」がある。山口代表も周辺に、こう自信を見せた。

「うちが推薦を出したから、自民党候補が勝てたところもある」

たしかに、自民党が4勝1敗と勝ち越した補選は、一部の選挙区では大接戦となるギリギリの選挙だった。特に、大分選挙区はわずか300票余りの差で勝利し、大分の選対幹部の一人も「公明の票も乗った」と認めている。

また、“自公抗争”の舞台となっている東京選挙区は、無党派層が多く、風向き次第では野党に有利と言われている。公明党の推薦がなければ当選がおぼつかない自民議員も多いのだ。

こうしたなか、22日午前には萩生田都連会長が自民党東京都連の国会議員を集めた緊急の会合を開く。公明党との選挙協力について意見交換し、都連として「東京28区は譲れない」との意思統一を図る方針だ。
ただ「易々と公明に議席を渡すわけにはいかない。連立解消も辞さない」と主張する議員がいる一方、「必ず公明の推薦がほしい」と本音を漏らす議員もいる。