『楽天グループ会長』と『NIHの日本人医師』の出会い
実はこの治療、2人の日本人の出会いから臨床開発まで進みました。楽天グループを率いる三木谷浩史会長とアメリカ国立衛生研究所(NIH)の主任研究員・小林久隆医師です。
(三木谷浩史さん)
「最終目標は患者さんが治ってなんぼというところがあると思いますので、まだまだ発展・進化しないといけないところとか。全く新しい薬というか新しい治療法なので」
(小林久隆医師)
「こういうふうにもできますということを提示していくのが僕の仕事かなと思っています」
小林医師は光免疫療法の開発者。動物実験で得られた手応えを臨床までどうやってもっていくことができるのか考えている時に、協力を申し出たのが三木谷さんでした。
(小林久隆医師)
「(当初)専門家は誰も信じてくれなかった。信じていただけたのは本当に幸運としか言いようがないと思っています」
楽天が医療の世界に進出した一番の理由。実は、三木谷さんの父親がすい臓がんと闘っている時に出会ったのが小林医師でした。全く新しいこの治療法を知り、開発に賭ける決断をしたといいます。
(三木谷浩史さん)
「光免疫療法がすい臓がんにすぐ使えるとは思わなかったんですけど、非常に有望な技術だなと個人的に思いまして、そこからまず個人的な支援から始まったという感じですかね。最終的には、すい臓がんを克服することが個人的には一つの大きなゴールかなと思っています」
一方、小林医師はアメリカで研究を続ける傍ら、関西医科大学が立ち上げた光免疫医学研究所の初代所長に就任。治療の開発を今よりさらに加速させていく方針を打ち出しました。
(小林久隆医師 去年4月の会見)
「三木谷浩史さんが多額の出資をしていただいたおかげでここまでたどりついたわけです。今後は完治率をあげる。がんを壊すだけではなく、光免疫療法には免疫という背景もありますので、光でがんを壊し免疫を作ると。免疫を作れば完治する患者さんの数が増える」