■「塩水うがい」に「ヨモギ換気」…北朝鮮でコロナ急拡大 


良原安美キャスター:
北朝鮮で新型コロナウイルスの感染が急拡大しているということです。北朝鮮では5月12日、初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたと報じられました。その後、どんどんと発熱患者数が増えていきます。発熱者はおよそ148万3000人いるとされていて、死者も56人出ていると発表されています。ただ、韓国の情報当局によりますと、この公表されている数の5~6倍の方が亡くなっているということが推定されているんだそうです。この状況に金正恩総書記は、建国以来の大動乱であると危機感を示しています。

この発熱患者数の急拡大、背景にはこんなことがあるそうです。4月25日に行われた、北朝鮮の過去最大規模の軍事パレード。実際に当時の写真をみると、マスクもしていませんし、かなり密になっていることがわかります。これが、全国的な新型コロナ拡大をもたらす起爆剤の役割をしたと考えられると報じられているんです。

実は北朝鮮、感染対策のために2年以上国境を封鎖してきました。公式に新型コロナウイルスの感染を認めたのは初めてのことです。では、どうして公表に至ったのか。韓国民間のシンクタンクによりますと、「自分たちの力だけで解決するのが容易ではないというサインではないか」ということなんです。つまり、北朝鮮側からの「SOS」ではないかというふうに分析されています。

さらに北朝鮮では、民間療法でコロナから回復した市民の方が朝鮮中央テレビで放送されていました。「塩水でうがいして、お酢で消毒しました」でしたり、「室内をアルコール消毒して、ヨモギを燃やして換気をしました。それで何とかなりました」。それから、「熱い生姜湯を飲み、1日に何回も塩水うがいをして治療を受けたらすっかり治ってしまいました」。こうしたことが放送されているということなんです。

ホラン千秋キャスター:
北朝鮮で実際にどんなことが起きているのかというのを正確に把握するのは難しいわけなんですけれども、様々な方向でどうにか立ち向かおうとしているようですね。

インターパーク倉持呼吸器内科 院長 倉持仁さん:
そうですね。元々食糧事情なども厳しい国のようですから、ちゃんとした検査や治療ができないので、国民の皆さんは大変だと思うんですね。

ホランキャスター:
こういった民間療法を試しているということなんですけれども、長らく新型コロナウイルスの治療・診断などにあたっていらっしゃる倉持さんから見ると、「このくらいちゃんと対応しないと大変なんだよ、危険なんだよ」というような意識をお持ちですか。

倉持さん:
これは流行してる株によってまた話が違ってくる点もありますし、それから最近では感染者が増えたことで、後遺症の問題っていうのもすごく大きくなってきているんですね。ですから、その辺も含めて早く投薬をした方がいいのか、あるいは様子だけ、こういう「生姜湯」を飲んで様子を見てればいいのかというのをですね、きちんとデータを集めて検証する仕組みというのを作る必要がそろそろあるというふうに思いますね。