■話術の極意求めて全国ラジオ行脚

その後は氷川中心の司会者として過ごす。台本なしの2人のステージトークは多くのファンを虜に。公私ともに良好な関係を築いた。

「氷川さんは本当に休みなしでステージに立ち続けた人。期限付きの休みだとリフレッシュできないので無期限にしたんです。連絡はいつも取り合っていますが、最近『そろそろ歌いたい』と言い出したので、急には無理ですよと伝えました(笑)」

司会業のかたわら、単独のトークライブも定期的に開催している。

「周りに恵まれているというか、周りがやってみたらってことを素直にきいて実行した。若いうちは何でもできるから1回やってみようかなって思ったことが今の仕事につながっているんです」

「単独ライブもそうで、ある日、笑福亭鶴瓶師匠から『歌謡ショーの司会もええけどさ。お前がピンで何か1人でやれるのも並行してやった方がええで』と助言されました。それがきっかけで40歳から単独ライブを始めました」

2019年にはトーク力をさらに高めようと全国ラジオ行脚を敢行。一年間で58局85番組に出演し、各局のパーソナリティと軽快なトークを展開した。

「歌謡ショーの司会をやっていてマンネリしている自分が当時すごく苦しかったんです。しゃべりの極意って何だろうと思ったらラジオだなと。ラジオは見えなくて不便だから見えるって僕は言うんですよ。人間って何でも見えるから想像力とかがものすごく乏しくなってきたでしょ。ラジオは声一つでやっていて見えないから見えるものがいっぱいあると思うんです」