■司会は自分の居場所

数奇な出会いを積み重ねてきた西寄。表舞台も、その裏側の苦労も知っているからこそ、感謝の気持ちをいつも持ち合わせている。人柄だけでなく、数々の出会いを大切にしてきたその行動力が司会者として成功した秘訣と言えそうだ。

「鶴瓶師匠からいただいた言葉で大事にしているのが『縁は努力』です。自ら努力してつないでいかないと縁は切れる。最近話をしていない人に用事がなくても『元気か?』それだけでいいと。そうしないと縁は切れるからっていうことを言われて、コロナ禍のときにそれ僕ずっとやっていたんです」

「コロナ禍でもう先が見えなくて、1年目なんてもうどうなるんだろうっていう毎日だったじゃないですか、どこにも出られないし。僕の仕事は人を集める仕事なのに、人を集めちゃいけないんですからあの時期は。だから徹底的にいろんな人と電話して…また縁が戻って一緒に仕事した人たちもたくさんいました」

大物司会者として知られる徳光和夫からは「西寄ちゃんが歌謡ショーの司会の灯を消したらもう終わっちゃうんだよ」そう声をかけられた西寄。これからも話術を極め、歌謡界が再び脚光を浴びる日を待ち望んでいる。

「歌謡ショーの司会は絶対自分の居場所だし、自分の一番、芯となる大事な部分だと思っているので依頼がある限り一生続けたい。また、改めてライブっていいですよね。同じ時間、同じ空間を共有できる素晴らしさをもう一度多くの皆さんに体感してほしいし、僕自身も何が起こるかわからないドキドキワクワクを楽しんでいきたい」