■極まる貧困 アフガニスタンに打開策はあるのか

小川彩佳キャスター
「カブールで取材中の須賀川記者に聞きます。須賀川さん、あまりにショッキングな映像から、極まる貧困というものが浮かび上がってきますね」


須賀川記者
「ただ、私が行った場所は1か所だけなんですが、カブールには薬物中毒者たちが集まる場所がまだいくつもあるんだということなんです。タリバンはこういった場所を定期的に摘発していて、中毒者たちを病院に収容しています。ですが、その人数があまりに多すぎるため対応は全く追い付いていないんです。

貧困のあまり現実を直視できない。その結果安価な薬物に手を出してしまって、奈落の底に落ちるかのようにあの橋の下に集まる。そういった負のスパイラルが続いてしまっていて、薬物がここまで根深く社会に浸透してしまうと、根本的な対処というのは難しいんです。

まずは経済の立て直し、そして雇用の回復が最優先事項になります。ただ、国際的にタリバン政権を承認している国は一つもないため、制裁が続いている。アフガニスタンにとって極めて難しい状況が続いているのが現実です」

小川キャスター
「この問題に、解決策・打開策というのは見えているんでしょうか」

須賀川記者
「やはり立ちふさがっているのが、国際社会が求めている女性の権利ですとか、就労や教育の問題なんですね。これが解決されれば、各国との外交関係も改善され、結果的に制裁解除の道につながるという風に思います。

ですが、これはタリバン側も分かっているんですね。関係者への取材では、女性の権利について既に法律の草案も出来上がっているといいます。あとは承認を待つばかりなんですが、タリバンの強硬派によって穏健派はそれを推し進められない、そういった状況が続いているんです。

タリバンも西側諸国、国際社会も、イデオロギーに左右されるのではなく、今そこにある命を救うための現実的な対策を考えなくてはならないという風に考えます」