■「地獄どころの騒ぎじゃない」橋の下に数え切れないほどの麻薬中毒者たち
1年前、タリバンが首都カブールを制圧し、20年ぶりに政権を掌握。国外に逃れようとする市民が空港に殺到するなど大混乱となりました。
街は日常を取り戻しつつあるようにも見えますが、多くの市民は厳しい貧困に直面しています。

首都カブールには、住民が「地獄」と呼ぶ場所がありました。
須賀川記者
「ここは川なんですが、完全な汚水が流れていて、その中に住んでいる人たちがいる。刺激臭と腐敗臭と熱気と一緒にミックスされています」

そしてここにいる人たちは…。
須賀川記者
「見えるかな、吸ってますね、真ん中の人。おそらく大麻なのか覚醒剤なのか、アヘンなのかもしくは劣悪なヘロインなのか」
川に集まっていたのは麻薬中毒者たち。中には横になったまま動かない人もいます。さらに橋の下へと下っていくと…。
須賀川記者
「わぁ…臭いがやばい…今、鼻声なのは、口でずっと呼吸しているからですけど…」
強烈な臭いとともに橋の下は大勢の人であふれかえっていました。
須賀川記者
「みんな吸っているんだ。あそこも。カメラがいようがいまいが、関係ないんですよね、この人たちは、みんな」
須賀川記者
「これ何人くらいいるんだろう?さっき地元の人がいってましたけど…ゴホッ(咳き込む)ちょっとやばい、これ以上はもう無理だね。地獄どころの騒ぎじゃないなこれはもう」
ここには数千人が暮らしていて、冬には寒さと飢えで毎日のように死者が出ているということです。
近くに住む住民
「神はあの麻薬中毒者たちを呪うでしょう。でも中毒になった原因は、とてつもない貧困があるからなんです」

タリバンが実権を握って1年。国の再建とはほど遠い現実がそこにはありました。