スマホの登場で、さらに「ネットニュース」は身近なものに

【解説】
その後2008年にiPhoneが日本に上陸して以降、「スマホ時代」が本格的に到来。スマホとネットニュースの相性は抜群に良く、その後ネットニュースアプリも次々に立ち上げられてきました。「スマホでニュースを読む」というのは、もはや当たり前になってきました。

ー「ニュースを身近に」という言葉がありましたが、つまりはIT技術が進化を遂げるたびに、ニュースがどんどん身近になってきたということですよね。

(東京都市大学 奥村倫弘教授(元ヤフートピックス編集長 奥村倫弘さん))
ニュースが「新聞・テレビだけの時代よりも身近になってきた」という実感は当然ありました。やはりもう圧倒的にニュースに接している時間が違いますよね。

新聞しかなかった時代は朝刊・夕刊しかなかった訳ですよ。朝1時間もかけて新聞読む人ってそんなにいなかったですよね。家に帰ってきても1時間かけて読まないじゃないですか。

それからテレビにしても、一日中テレビ見る訳にはいかなくて、せいぜいニュースを見るといっても「夜7時のニュース」「夜9時のニュース」で1時間見るかどうかでしたよね。

でもインターネットの時代になってから、いまスマートフォンがあったら、電車の中でも職場で仕事をしていても、ご飯を食べながらでも、みんなニュースを見ていますよね。良いか悪いかは別として「身近になった」ということは間違いないと思います。

ー我々ニュースを発信する側からしてみれば、ニュースを見てもらえる機会がすごく増えたのはメリットでもあると思うのですが。

それは間違いないと思います。「よりニュースが身近になってきた」のは間違いないです。問題は、ただそのニュースが内容によって「見られる、見られない」で分かれてしまっている、ということですよね。

「地方のニュースを全国で読んでもらえる」その意義は

ー実は我々にとって、ニュースを届ける先は放送エリアの岡山県・香川県でした。それが「ネットを通じてエリア外に出せる」というのは非常に嬉しいことなのですが、そこにはどういった意義があるとお考えですか?

それは非常に意義のあることで、おそらく「一つの地方で起きていること」というのは、「日本全国、どの地方でも起きていること」だと思うんですよね。共通の課題を日本中で抱えていますから、そこでの取り組みが紹介されて、それが岡山・香川県だけではなくて全国に広まっていく、というのは大きな価値があると思います。

だからそこは、自分たちの地域だけを見るのではなくて、「全国も意識したニュース作り」ということも意識できるのではないかな、と思いますよね。そういう点で言うと、やはり「ネットのメディアから見た地方の情報」というのは、もしかしたら今まで何か気づかなかった、そういう価値を持っているものなどがあったりすると思いますね。

地方発の情報、それは地方発だからではなくて同じ課題を日本全国で抱えていると思うんですよね。その中の一つの事象に一つにテレビ局がスポットライトを当てて、その背景だとか、対処すべきことがあるのか、ということを伝えるということに価値があるんだと思います。

これ自体は、やはりこういった「ネットの世界」があるからこそ、どなたの目にも留まりやすくにはなっていますし、それが「いい記事だ」「共有するに値する記事だ、番組だ」というふうに思えば、広く拡散して行くと思います。