過去“最小”規模の軍事パレード
小川キャスター:
軍事パレードそのものについて、2022年と比べて、目についたところはどういったところでしょう?

東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師:
散々指摘されてますけれども、規模が非常に小さい。行進した兵隊の数も、おそらく過去これまでになく少なかったんじゃないかと思います。それから装備品、例えば、戦車は全く出てこない、装甲車も出てこない、大砲も出てこない。出てくるのは主にミサイルと、非常に軽量の装甲車だけ。非常に寂しいパレードでしたね。これだけ規模が小さいパレードは、おそらく初めてだと思うんです。時間も全体で45分しかやっていません。
これは前線で戦っているので、物理的に装備品とか人間の数とかが足りない、その力がないという。
もうひとつは、パレードなんかに出すんだったら、前線に送るって話はおそらく国内から出るので、パレードをやるにはやるんだけれども、めちゃくちゃ兵力などに割いていませんよ、ということにしたのかなと。
山本キャスター:
そうした中で、軍事パレードが行われたわけですが、今年の戦勝記念日、異例ずくめとなりました。

▼軍事パレードに登場する兵器の事前説明なし
▼少なくとも21都市で軍事パレード中止
▼海外メディアの取材制限
一方で、ロシアメディアによりますと、
▼ベラルーシやカザフスタンなど旧ソ連諸国7か国の首脳が式典に出席した。
東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師:
実は最初、今年は外国のゲストなしって言っていた。それが途中から、キルギスの統領だけは来るという話になった。そして前日になって、いきなりみんな来るということに。現状、ロシアと、ものすごく関係が悪い国以外は全部、旧ソ連の国を呼ぶという話になった。
なぜ急にこんなことになったのか、また急にロシアに呼びつけて、よくみんな来たなと。その辺の背景はまだよく分からない。
旧ソ連の国々からしてみると、ロシアはいろいろあるけれども、やはり決定的に機嫌を損ねるわけにはいかないという点は、まだ変わらないので、一応付き合ってくれたのかなとも思います。
プーチン大統領は、2024年に大統領選を控えていますので、その前では、最後の軍事パレードになるので、景気づけの意味もあったのかもしれない。