第2次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日を迎えたロシア。プーチン大統領は演説で「西側はロシアの崩壊を求めている」と強く非難しました。一方、パレードは規模の縮小が指摘され、外国メディアに取材許可が出ないなど、異例の厳戒態勢の中、行われました。
「本物の戦争」演説で国民に結束訴える
9日、日本時間午後4時から、ロシア・モスクワの中心部「赤の広場」で行われた戦勝記念日の軍事パレード。

ウクライナ側による、大規模な反転攻勢が近く始まると指摘される中、プーチン大統領の演説が注目されました。

プーチン大統領
「今日、文明は再び重要な転換点を迎えています。私たちの祖国に対して、再び“本物の戦争”が繰り広げられています」
「本物の戦争」という表現を使い、祖国を守る戦いと位置づけて正当化し、国民への結束を呼びかけました。
最も時間を費やしたのが、欧米への非難です。
プーチン大統領
「彼らの目的は、“ここに新しいものは何もない”、我が国の崩壊と破壊を達成し、第二次世界大戦の結果を取り消し、国際安全保障と国際法のシステムを決定的に破壊し、あらゆる主権的な発展の中心を絞めつけることである」
そして、ウクライナ侵攻に参加する兵士らを誇りに思うとして…

プーチン大統領
「今、国の安全はあなたたちにかかっています。私たちの国家と国民の未来は、あなたたちにかかっているのです」
“国全てが、侵攻に参加する英雄たちを支援する準備ができている”とし、改めて侵攻を続ける意志を示しました。
プーチン大統領は、約10分にわたり演説。
ロシアが先週発表した、クレムリンへのドローン攻撃については、言及はありませんでした。

今回のパレードでは、航空機の飛行が行われなかったなど、規模の縮小が指摘されています。
戦勝記念日はプーチン政権として、内外に大きくアピールできる重要行事。
しかし今年は、例年以上に厳戒態勢が取られ、外国メディアなどに取材許可を出していないなど、異例の状況下で行われました。

市民は、プーチン大統領の演説を、どのように受け止めたのでしょうか。

モスクワ市民
「彼が言うことに賛成です。勝利は私たちのものになると思います。そう期待しています」
「戦争が早く終わってほしいです。早く平和が来てほしい」
――プーチン大統領の演説は見ましたか?

「見ていないです。そのテーマに関しては、まるでないかのように、考えないようにしています」