見たままを忠実に描く…極めるとここまで神秘的な作品になります。油絵具で写実的な人物画を描く新鋭の画家・岡靖知さん。美術大学在学中に油絵に魅せられ、ほぼ独学で数多くの作品を世に送り出してきました。作品をネットオークションにかけ、770万円の値がつくものもあります。製作期間に半年以上を費やした30代最後の集大成となる作品に迫りました。

写実画家・岡靖知の世界…“30代最後”集大成の作品に迫る

小川彩佳キャスター:うわーすごい。手のしわ一つ一つ、陰影もはっきりとしていて、今にも動き出しそうですね。今驚きで頭の中が混乱するぐらいです。

写真画家・岡靖知さん:Twitterを始めたのが2018年ぐらいで、その時にTwitterに「薄桜」の画像を載せたらすごく反響が多かった。バズった絵。僕もすごく気に入ってはいたんですけど、周りからの反響をすごく感じた作品です。

小川キャスター:女性目線で言いますと、口紅の重ね方、リップの重ね方って結構女性にはこだわりがあって、リップラインの内側にじわっとするように、そういうところも絶妙に表現されていますね。この目線の先には何があるんだろうとか、少し開いた口からどんな言葉が発せられるんだろうとか、1秒先の未来を想像していたくなるような作品ですよね。

岡靖知さん:「写真とは違う美しさがあるね」って言ってほしいとは思っていますね。絵ならではの美しさみたいなのは、鑑賞者の人に思っていただけると、有難いですね。
言葉にするのは難しいけど、女性が醸し出すような神秘性を、いそうでいないような感じの女性像を描くような作品を、ずっと描いていきたいなという思いはありますね。

岡さんは今、30代の集大成として新たな作品に取り組んでいます。

岡靖知さん:僕の場合はかなり具象的な写実と呼ばれるリアル寄りの絵なので、そういう人の場合やはり時間はかなりかけますね。それぐらいすると透明感だったり質感とかが…

小川キャスター:ちょっと言葉を失うような…吸い寄せられますね。

岡靖知さん:かなり引きの絵になるので、世界観だったりにかなり気をつかって描きましたね。

ポーズをとったモデルの画像に背景などを合成して構図を決めていくといいます。

小川キャスター:ワンピースの、しわの寄り方もすごいですね。

岡靖知さん:これで5割ぐらいなので。そんなに褒められるとちょっとまだ…まだまだこれからですよという感じです。現段階で3か月ぐらいで、6か月、半年くらいかけて完成に至ればなと思っています。

多摩美術大学出身の岡さん。

岡靖知さん:大学に入る頃はデザイン科だったので、当初は画家という選択肢は全然考えていなかった。ただ、講義で昔の絵画17世紀とか、ルネサンスからバロックとかの絵画を見ていくうちに、すごいうまいな、綺麗だなと思って。ああいうふうに描いてみたいなと思ったんですよね。大学2年ぐらいから油絵を買って、一から自分で勉強して。卒業当時も就職は考えずに画家として食べていきたいなって思ったのがきっかけですね。