“トー横”16歳の少女のその後

2022年12月、“トー横”では警察が少年少女らの一斉補導に乗り出した。
補導されたのは13歳~18歳の20人。

年明け、私たちは再び“トー横”を訪れた。

若者たちの姿が見えない。

少し離れた場所に16歳のAさんがいた。

―2か月、どう過ごしていた?
Aさん
「ニュースで一斉補導みたいな、あれで自分も捕まって」

だが、母親は引き受けを拒否したという。

「なんかあの取材の後くらいから親とゴタゴタしちゃって。いま、縁切っちゃったんですよ」

―完全に縁を切ったの?
「完全に。親の方から。本当に家も帰れないし」

―なんで『縁切れ』って言われたの?
「トー横に行っていること自体も親は気に食わないし、リストカットとかオーバードーズしているのも、親は嫌で。それが自分の子どもって周りに知られるのも嫌だから、縁を切ってほしいみたいな」

保護施設に送られたAさんだが、脱走して再びトー横に戻ってきた。
道中、「売春通り」に差し掛かると…

Aさん
「ここに立って、そこのレンタルルームで売春してお金もらって。きょうもやった、午後5時くらいかな。5000円。仕事でお金がもらえるから頑張るみたいな感じ」

徐々にためらいの気持ちが薄れていった、と話す。

「今は毎日稼いで、ホテル取って、ホテル暮らし」

―その日ホテルに泊まるためのお金をその日稼ぐって感じ?
「そんな感じ、具体的には売春」
「前まではやっぱりメンタル的にくるし、嫌だったけど、今は別にそうじゃない」

―そうじゃないってことは、慣れちゃったってこと?
「うん」

―アルバイトとかはやっぱりできないの?
「身分証が全部ないから、できない。親元にあって、保険証とかを引き渡してほしいとお願いしているけど、全部、親が拒否している」

深夜、Aさんは同年代の少女らと合流した。

「ラブホ行く」

―年齢確認はされない?
「されない」

―本来、泊まれないよね?
「うん」

―それが普通になっている?
「普通になってる」

風営法で未成年者の利用が禁じられているラブホテル。
ふたりの少女が、ここで一夜を過ごす。