「話さないからこそ、徹底した捜査になる」

―――今後の捜査はどうなっていくのか。小川氏は「容疑者が話さないからこそ、徹底した捜査になるだろう」ということです。犯行前の足取り(=前足)や、お金の流れ、どうやって生活をしていたのか、何を買っていたかなどの捜査で動機を解明していくだろうと。

小川泰平氏: 黙秘しているからこそ、本人が何を考えていたのか。動機が一番大きいんですけども、本人のスマートフォンだとか、パソコンといった通信機器でどういったものを検索していたかの履歴とかです。あとどういったSNSに参加をしてコメントを書いていたとか、捜査していく必要があると思います。

―――ここまででわかってきていることを見ていきます。事件の1時間ほど前、南海電鉄和歌山市駅の改札や、駅近くのスーパーに木村容疑者とみられる姿が確認されていて、その後、事件現場まではバスで移動したとみられています。漁港近くで現場へ向かう姿も映像に残っています。その際には果物ナイフが入っていたとされる手提げカバンを持っている。もし全てが同一人物であった場合、マスクの色などに違いが見られるということです。持っているものが違っていたりとか、いろいろな情報上がってきていますけど、こういったものは捜査に影響を与えるんでしょうか?

 当然ですけども本人がどこまで計画していたか。ただ今回は雑賀崎漁港に岸田総理が行くというのは直前に決まったことなので、それ以前に下見できるわけではない。ただ、決まってから爆弾を作ったわけではないので、元々爆弾は、爆発物は作っていたんだろう。ですから岸田総理の動きによって、自分が一番近寄れるときはいつかというと、やはり応援演説とか選挙のときに一番可能性があるというふうに本人考えていたと思います。

 ただ、マスクは「黒いマスクは目立ってしまうから白いマスクに変えよう」というのは事前に白いマスクを用意しててもいいんですけど、直前に考えている、そういったところから、「計画性はあったにせよ、綿密な計画とはちょっと違うのかな」というふうに思えたりもします。