「経験を無駄にしないように、次の世代に伝えていけたら…」
熊本では今「記憶の風化」が課題になっています。

熊本市が市民を対象に行ったアンケートでは、約6割が「地震の記憶や教訓を忘れがちになっている」と回答しました。
大学生(21歳)「震災が起きた1年後は、『震災のとき何してた?』と話しが出ていたけど、最近出ない。自分たちとしても忘れてはいけない」
花保さんの母・彩佳さんも…

「熊本に住んでいても、何もない日常がずっと流れていくと、県民でもやっぱり薄れてしまうことが少なからずあると思う」
彩佳さんは、震災を知らない花保さんに「熊本地震」のことを少しずつ教えるようにしています。
彩佳さん「どのくらい揺れたと思う?(抱っこした花保ちゃんを揺らし)本当にこのくらい揺れたんだよ。もしママたちが仕事や別のところにおるとき、花保だけ学校におるときもママたちは学校に集合するから」

彩佳さん「知識が少しでもあれば、次起こったときに、命を守る行動ができたり(子どもたちに)繰り返し伝えることで定着していくと思うので、経験を無駄にしないように、次の世代に伝えていけたらいいなと思う」
小学生になった花保さん。
ーー小学校の目標は?
花保さん「お友達いっぱいつくりたい!」
父「いいね!」
両親が「花保」さんの名前に込めた思い。

「『花』が咲いて散って、その一連が命。『保』は人が赤ちゃんを抱っこしているという漢字の成り立ちなので、色んな方に助けていただいて生まれてきたという思いがあるので、『命を大切に、人に寄り添える優しい子になってほしい』という意味を込めました」

小川彩佳キャスター:
すくすくと立派に成長している花保さんの姿に、時間の経過を感じて、はっとさせられました。
山本キャスター:
私自身、風化を感じる瞬間が多々あって危機感から今回取材に行きました。熊本の人であっても6割の人が忘れがちになっているという現実があるということは、全国的に見たら風化はもっと進んでると思うんです。
そうした中で彩香さんのように、後世に伝えていきたいという強い思いを持つ方は本当に大切な存在だと思うので、その一助になれるように私も今後も取材を続けていきたいなと強く感じました。