■「耐震化しているから地震に強い」は違う
震災後の復興事業で、区画整理や道路の拡張を押し進め、地震に強いまちづくりを目指したはずの東京。この間の歴史を見つめ直し、なにが教訓なのか改めて考えるべきと訴えます。
(名古屋大 武村特任教授)「耐震設計さえしていれば地震に強いまちだと言っていたけれど、違う。ぎゅうぎゅうに建てて人間を密集させてしまうと非常にいろいろな危険が起こるし、防災上の問題も出てくる。」

「関東大震災が起こった、そのあとに帝都復興事業がなされた、そのあと何があったか。いまにどう繋がっているか。一連の流れとしてみると、教訓がもっとちゃんと生きてくる」
南海トラフ巨大地震の対応を検討した国の委員で、地震予知は「できない」との報告をまとめたひとり・東京大学の井出哲教授です。想定自体、大きな幅をもち、どこまでリスクに備えるかは政治的な判断の部分が大きいと指摘します。
(東京大学 井出哲教授(地震学))「もちろん関東大震災で10万人亡くなっているのはとんでもないことだが、けっしてこれ以上のストーリーが作れないかというと、もちろん作れる。小さい確率を言い出したら、それをすることの意味を考えて、やはりできなくて、それくらいの値が出てきたということ」
未曽有の災害となった関東大震災。しかし平成に入り続いた、阪神・淡路大震災や、東日本大震災、熊本地震でさえも、想定外・異例との言葉が繰り返されました。
