いま混乱が起きている「インボイス制度」なぜ国は、を導入するの?

前職は札幌国税局の課税第一部長で、現在は岡山大学経済学部・普家弘行教授です。インボイス制度の導入は、そもそも私たちが負担した消費税を「国が明確に把握するためのもの」だと言います。

(岡山大学経済学部 普家弘行教授)
「消費税導入以来ですね、長らく税率が単一だったんですね。個別の取引ごとに実際に税額を計算する必要が必ずしもなくて、売上とか仕入れとか経費とかトータルで分かっていれば、税率が一緒なのであとから掛ければ計算できるというような側面もありました」
「ところが、約4年前に軽減税率が入ってきまして、『税率が複数になった』ものですから、実際には『どっちの税率で買ったものなのか、売ったものなのか』ということを区別する必要が生じた」
大きく変わるのは「請求書の形式」

このインボイス制度の導入によって大きく変わるのは「請求書などの形式」です。
請求書への記載が新たに求められるのが、発注先のインボイス「登録番号」、そして金額に対する「軽減税率など適用税率の内訳」、さらにその「税率ごとの消費税額の合計」です。
これらが適切に記載されていないと、「発注元」が控除を受けることができなくなります。そのため事業者にとって「確認などの事務作業の増加につながる」と考えられています。
「インボイス制度」導入は、私たちの生活にも影響する可能性が

道の駅「笠岡ベイファーム」です。店舗で扱う多くが、地元の生産者が育てた野菜や果物。その生産者のほとんどは、今回のインボイス制度でいうところの「フリーランス」です。

(道の駅笠岡ベイファーム 池田博之駅長)
「ほとんどが、免税事業者(ここでいうフリーランス)の方が出荷されてる商品になりますね」
インボイス制度の導入で、事務作業が大幅に増えコストがより掛かるようになるため、「商品価格にも影響する可能性がある」と言います。

(道の駅笠岡ベイファーム 池田博之駅長)
「手間もそういった経費もかかる。どこかでね帳尻をあわさないと厳しいですよね」