対象者とそうでない人の“線引き”はどこか MBSの解説委員が“ある閣僚に”聞いた話では…

 ―――今回の入国禁止措置について、MBSの三澤肇解説委員のポイントとしては国家安全保障関連の閣僚も対象に含まれている点だと?
 (三澤肇解説委員)「入国禁止となったある閣僚と話したら、閣僚の中でも入国禁止になっている人とそうじゃない人がいて、『この差は何ですか?』と聞いたら、国家安全保障会議のメンバーで線引きしているんじゃないかというふうに言っていました。防衛大臣とか外務大臣とかも含めて9大臣ぐらいいるんですが、そこに入っているか入っていないかという線引き。あと、沖縄・北方問題の特別委員会というところに入っている委員も結構多数リストアップされているんですけども、されていない国会議員もいるんですよ。よく見ているなと思うところもあるんですが、そうじゃないところもあって、例えば、ロシアをかなり批判している国会議員はリストアップされていなかったりして、その人は『私はなぜ63人の中に入ってないんだ』と。『なんでリストアップされていないんだ』と言っている国会議員もいました。だから、よく見ていないんでしょうね、やっぱり。でも一部はよく見ている、ピンポイントではよく見ている可能性はあるのかなと、人選を見て思いました」

 ―――あとは北方領土のビザなし交流がなくなると困るということですね?
 (三澤肇解説委員)「沖縄・北方問題の特別委員会のメンバーである石川香織衆議院議員に話を聞きました。石川議員は北海道11区選出で、1回、国後島に行っているんですね、ビザなし交流で。1回行くとやっぱりいろんなものが吸収できるので、こういったビザなし交流に影響が出るのは困りますねというふうに言っていました」

 ―――岡部先生はビザなし交流への影響についてどう思われますか?
 「それはあると思います。私も実は北方領土へは2016年に択捉島、2017年に国後島、2019年に色丹島と、団長として行っています。北方領土という呼び名自体がロシアにとっては認められないということがありますので、彼らからしたら南クリル諸島ですので、そういうところも影響しているかなというふうに思います」

「5月9日は粛々と戦勝記念日を祝うのではないか」

 ―――そして、ロシア最大の祝日「戦勝記念日」の5月9日に何が起きるのか。この日は第二次世界大戦で旧ソ連がナチスドイツに勝利した日です。岡部先生は「粛々と戦勝記念日を祝うのではないか」「追悼の日でもあるので過激な行動はないのではないか」「戦争宣言や宣戦布告はしないのではないか」と見ているようですね?
 「そうですね。5月9日の戦勝記念日に私はエリツィン時代、だいぶ前ですが行ったことがあります。これは愛国心が高まる日であるとともに、やはり大量の戦死者を出した追悼の日ということもあるので、過激な『戦争だ』というようなメッセージを出すのはちょっと違うのかなというふうに思います。プーチン大統領は毎年5月9日は演説をされまして、だいたい月並みな感じの戦死者を悼むということなんですけれど、5分の1ぐらいは現在の情勢を絡めて話しますので、それがどんなことを言うのかというのが今回の注目点じゃないかなというふうに思われます」