【新潟市都市政策部 宮崎博人政策監】
「NEXT21があって、三越がない、何もない空間だが、新しい技術を使って“舞台”として表現できる。キャラクターが踊っていたりする」

仮想世界と現実世界を融合するXR(クロスリアリティ)を使った取り組みです。XRは「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」といった先端技術の総称。

肉眼で見るといつもの新潟の風景ですが、インターネット上では、仮想現実空間でアイドルが踊っています。こうした映像をきっかけに「新潟に行ってみたい」という人を増やしたいと考えているのです。

【新潟市都市政策部 宮崎博人政策監】
「今あるものを活かすというと古町は歴史文化というのがある。歴史文化を前面に押し出しても、なかなか東京、大都市には響かないと思うので、その気付く手前で、新しい手法によるアピールは新潟にもできるのかなと」

新潟市はこのXRを活用した事業について、新年度予算案に6000万円を盛り込んでいます。ただ、川上さんはこの事業を冷ややかに見ています。

古町を見続けてきた川上英樹さんの心中は…

【キャサリン 川上英樹代表】「他にもうちょっと何かね、いやあの急務な救済っていうのが、必要なものがあるんじゃないかなって。今、消えかかってるものを、大事なものを再構築するには、どのぐらいの規模の大きい行政資金が必要になってくるのかというのが、わかんないぐらいのものは多分あると思うんですね」

新潟市によりますと、XRを活用して観光客を取り込もうとする動きは他の地方都市ではまだなく、新潟の強みになると考えています。

【新潟市都市政策部 宮崎博人政策監】
「アニメのスタジオとかが新潟にはある。そういうのが古町の魅力であり、新潟の魅力であり、今後は十分誇れるものになると」

新型ウイルスの影響が徐々に和らぐ中今年は新たな街づくりに向けた正念場の年となります。賑わいづくりを目指して、それぞれが今も模索を続けています。

三越閉店後に古町の賑わいをどう作っていくのか、イメージを共有するために「将来ビジョン」が作られました。しかし、商店街から聞こえてくるのは、「新潟市は、古町を観光で盛り上げたいのか、暮らしやすい街にするのか、両方だと考えているのか…分からないという」という声です。

これは、三越の閉店から3年経っても変わっていません。“選ばれる古町”を目指すならば、官民で足並みを揃えて街の未来をどう描いていくか、明確にする必要があるのではないでしょうか。