原点は震災…「被災地支援に使いたい」
そんな特別な機体を目指す原点。それは東日本大震災だった。
森本さん
「津波がひいた後の街の状態がものすごく頭の中にこびりついていて。ショッキングなものが入ってきた衝撃と、常に何か自分にできることはないかと考えていたというのがあった。ショッキングな映像で弾けた」
突き動かされるように、開発にのめりこんでいった森本さん。
近く起こるとされる南海トラフ巨大地震などの広域災害でも、けが人や物資を運ぶのに役立てたいと言う。

森本さん
「(開発中の機体は)飛行時間がいまと比べものにならないくらい飛べるので。東南海地震が起きたときに日本全国から被災地を支援するのに使いたい」
“いのちを守るために”
森本さんたちの熱い思いが届いたのか、国が将来性があると判断。2022年、約1億円の補助金を出すことを決めた。

森本さん
「これはやりきって世界をアッと言わせたい」
森本さんは会社を休職し開発に専念。試行錯誤を重ねていく。

そして2月22日。6分の1の大きさの試作機で、テストフライトの日を迎えた。
森本さん
「非常に緊張しています」
「じゃ、いきます!プロペラ回転します」
機体がゆっくりと浮かび上がった。

高速移動と長い航続距離を考えて設計された機体は、見た目以上にバランスをとるのが難しいと言う。
森本さん
「ゴールはみえているから、そこに向かって…。あきらめなかった者が成功にたどり着くと思うので。あきらめない」

空飛ぶクルマが“いのちを救う”。森本さんの挑戦は続く。

















