■カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール 日本代表13-4韓国代表(10日・東京ドーム)

14年ぶりの世界一奪還を狙う侍ジャパンは、WBC1次ラウンド第2戦で宿命のライバル・韓国代表と対戦。二ケタ13安打13得点で大勝した。

先発のダルビッシュ有(36)は3回に痛恨の先制2ランとタイムリーを浴び3点を奪われたが、打線が奮起した。2回まで韓国先発・キム グァンヒョン(34)を打ちあぐねていたが、3回裏に連続四球でチャンスをつくると、ラーズ・ヌートバー(25)と近藤健介(29)の連続タイムリー、吉田正尚(29)の2点タイムリーで逆転に成功。中盤以降も近藤がソロ本塁打、大谷翔平(28)にもタイムリーが飛び出すなど、終わってみれば13安打13得点の猛攻。韓国を突き放した。

リリーフ陣はダルビッシュのあとを受けた今永昇太(29・DeNA)が被弾し1点こそ失ったが3回3奪三振でつなぐと、宇田川優希(24・オリックス)も2つの三振を奪い1回を三者凡退。8回の松井裕樹(27)、9回のチーム最年少・高橋宏斗(20・中日)も三者凡退で締めくくった。

3大会ぶりの世界一へ、前日の中国戦で8-1と初戦白星の侍ジャパンは、過去のWBC4大会で対戦成績4勝4敗と熱戦を繰り広げてきた韓国に快勝し、今大会2連勝。次戦は11日に初出場のチェコ共和国と対戦する。

ダルビッシュ先制2ラン被弾からまさかの3失点


最大のライバルとの一戦の先発を任されたのはチームで唯一WBCの優勝を知る最年長だった。日本ハム時代以来、12年ぶりの日本のマウンドとなったダルビッシュは、1回先頭のT.エドマン(27・カージナルス)を150キロのストレートで二ゴロ。続くパドレスのチームメイト、キム ハソン(27)には外角低めのスライダーで遊ゴロ、“韓国のイチロー”3番・イ ジョンフ(24)は154キロのストレートで詰まらせレフトフライに抑え、立ち上がりから力でねじ伏せる投球を見せた。


2回は4番・パク ピョンホ(36)に対しフルカウントからキャッチャー・中村のサインに2度首を振ると、最後はスライダーで空振り三振。後続も変化球で一ゴロ、ライトフライに打ち取った。

序盤打者6人を完璧に抑えたダルビッシュだが、3回に崩れた。7番・カン ベクホ(23)にストレートを左中間へ弾き返されこの試合初のヒットを許すと、続くヤン ウィジ(35)にはカウント2-2から甘く入ったスライダーをレフトに運ばれ、痛恨の先制2ランを浴びた。その後2死とするも、2番・キム ハソンの打球をサード・村上が一塁に悪送球し再びピンチに。続くイ ジョンフにタイムリーを打たれ0ー3とリードを広げられた。ダルビッシュはこの回まで48球を投げ、3安打3失点(自責2)でマウンドを降りた。

“ヌートバー劇場” 反撃開始の適時打&ファインプレー

打線は2008年の北京五輪でも対戦経験がある“日本キラー”韓国先発・キム グァンヒョン(34)に対し、2回までに5三振と苦戦。しかし3点を追う3回、8番・源田壮亮(30・西武)が7球粘って四球で出塁すると9番・中村も四球で無死一、二塁の好機。1番・ヌートバーがキム グァンヒョンの“決め球”スライダーを捉えセンター前へタイムリーを放ち1点を返すと、2番・近藤もセンターオーバーのタイムリーツーベースで続いた。無死二、三塁で3番・大谷に対し韓国ベンチは申告敬遠を選択したが、満塁で5番・吉田正尚(29)がセンターへの2点タイムリー、4対3と一気に逆転に成功した。

1点リードを受け、“第2先発”として登板した今永は、4回を3者凡退。5回は先頭にヒットを許しランナーを背負ったが、2番・キム ハソンの打球をセンターのヌートバーが迷いなく突っ込みダイビングキャッチ。スーパープレーで韓国打線の反撃を封じた。3イニング目の6回に、1死から6番・パク コンウ(32)にストレートをライトスタンドへ運ばれ1点を失ったが、3回を投げ48球、毎回の3奪三振で役目を果たした。

打線は5回に先頭の近藤がチェンジアップをライトスタンドへ運ぶ貴重な追加点を挙げ、大谷の二塁打から1死三塁とチャンスを作ると、5番・吉田がライトへ犠牲フライを放ち6点目を挙げた。さらに6回には大谷、吉田のタイムリーを含む一挙5得点、7回は相手のワイルドピッチと押し出し四球で2点を追加し13-4と突き放した。

試合終了後、ヒーローインタビューに登場したヌートバーは「最高の気分、日本代表の一員として誇りに思う」と勝利をかみしめ、5回のファインプレーのシーンを問われると「ありがとう!ありがとう!ありがとう!」と日本語で喜びを爆発させた。デッドボールについては「ちょうど凝っていた所にぶつかってほぐれたとも思う」とジョークで球場のファンを笑わせた。最後は「日本大好き!みな、ありがとう」と遅くまで残ってくれたファンに日本語でメッセージを送った。