「津波避難は時間が勝負」適切な避難で犠牲者ゼロへ
2023年2月、アプリの試作版を海から200メートルの場所で飲食店を営む坪田泰成さんに使ってもらった。
試作版はマグニチュード9の地震が起きたときに、発生から10分後にアプリを起動したと想定して経路を示す。
今回表示された最適な避難場所は、自宅近くの高台。

実はこの高台、坪田さんにとっては意外な避難場所だった。
坪田さん
「小学校の頃から逃げろと言われているのが鵜殿小学校。人間、絶対海近くて高いところより遠くて高いところを目指すと思うので、海から離れた小学校への避難が無難なルートやと思う」
坪田さんが決めていた避難先は自宅から歩いて約15分の海から遠く離れた小学校。しかし有川教授は、この場所では、避難にかかる時間がかかりすぎて、途中で津波に巻き込まれる可能性が高いという。
一方、アプリで示された最適経路を歩いて高台に向かうと・・・わずか3分で到着した。
坪田さん
「来てみて(こんな場所が)意外とあるもんやなと思いました。こんなところ僕上れるのは知らなかったので、なかなかすごいですね」
有川教授
「10分以上かけて逃げるのか3分で逃げるのかで、津波に遭うか遭わないかがずいぶん違うので気にしてほしい」
有川教授は「アプリがあるからと言って普段の備えは怠らないで欲しい」と釘を刺すが、紀宝町でアプリを実用化させたあと、津波被害が想定されている全国の自治体でも順次実用化できればと意気込んでいる。
有川教授
「地震津波避難は時間が勝負。アプリがあって適切に逃げていただいて、津波の犠牲者がゼロになりましたといっていただける、そういうようなことを実現するのが夢ですね」